Webライターは、副業としても専業としても、フリーランスの幅広い働き方に対応できる仕事です。とはいえ、Webライターに興味を持っている方の中には、インターネットやSNSなどで「やめとけ」という声を聞いて、始めるべきかどうかを迷っている方もいるかもしれません。
確かに一部では、低単価案件ばかりを受注して疲弊したり、なかなか成果を出せずに挫折したりするケースもあります。しかし、適切な知識と準備を積み重ねれば、十分に安定収益が狙えるのも事実です。
本記事では、現役6年目の専業Webライターが、初心者が陥りがちな落とし穴や安定して稼ぐために押さえておきたいポイントを詳しく解説します。最後まで読めば、Webライターが「やめとけ」と言われる真意がわかり、正しい方法でスタートするための具体的なステップを掴めます。
この記事でわかること
- Webライターが「やめとけ」と言われる理由
- Webライターは初心者でも稼げる仕事なのか
- どのように進めれば、初心者Webライターが効率的に稼げるようになるのか
なぜ「Webライターはやめとけ」と言われるのか?
そもそも「Webライターはやめとけ」という声がインターネットのSNSなどでよく聞こえてくる背景には、低単価案件を繰り返し受注して疲弊する初心者ライターが多いことが挙げられます。
初心者は実績が乏しいため、少しでも経験を積もうと焦り、1文字あたり0.5円や1円以下などの非常に低単価な条件で長文を執筆するケースが多いです。こうした悪条件で働き続けると、膨大な執筆時間が必要になる割に、まとまった収益を挙げられません。
例えば1記事5,000文字の記事を1文字0.5円で受注すると、1記事で稼げる単価は2,500円です。これでは、月5万円の収入を目指すだけでも20本の納品が必要になります。
さらに、納品後の修正依頼が何度も重なれば、時給換算でわずか数百円ほどになってしまうこともよくあります。
もちろん、本当に駆け出しの頃は低単価の案件から始めて「Webライターで稼ぐ感覚」を身につけるのも悪くはないのですが、ある程度の数をこなした後は、早めに単価を上げる策を考えることが重要です。
なんとなくWebライターとしての仕事を始めると、稼げない状態から抜け出しにくくなってしまうため、十分に事前準備を整えることが大切になります。
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Webライターが稼げる人と稼げない人の違い
稼げるWebライターには、専門分野がはっきりしている方や、日々のスキルアップを怠らない方が多い傾向にあります。例として、医療系やIT系、美容系など、さまざまなジャンルに特化した専門知識があると、高単価案件を獲得しやすいです。
実際、筆者は新卒からITコンサルタントとして7年ほど働いていた経験もあり、Webライターとして独立した後も、IT系をメインに執筆しています。
また、継続的にWebライターとしての勉強を欠かさず、検索順位を高めるために必要なSEOライティングのスキルを磨く努力も、収入に結びつきやすいでしょう。
一方、稼げないケースでは、目的なく作業系の案件ばかりを選び続けているパターンが目立ちます。目的意識が薄い状態で始めると、どんな仕事に注力すれば文字単価が上がるのかがわからず、工数ばかりかさんでしまいます。
初心者が数多く登録しているクラウドソーシングでも、月200,000円以上を安定的に稼げるライターは一定数存在していることからも、方向性を正しく定められるかどうかが「稼げるライター」になれるかどうかを左右するといえます。
初心者がやってはいけない3つの落とし穴
初めてWebライターとして活動する人が陥りやすい落とし穴は、主に「低単価案件ばかりを受け続けること」「ポートフォリオを用意せずに始めること」「時間管理がうまくできていないこと」の3点です。
これらの問題を放置すると、収入がなかなか上がらなかったり、クライアントとの信頼を築けず単発の案件ばかり続いたりして、モチベーションを損ないやすいです。具体的な回避策を知り、なるべく遠回りしない進め方を実践しましょう。
関連記事:【初心者必見】Webライターの始め方を7つのステップで徹底解説
落とし穴1:低単価案件に依存する
前述のように、低単価案件ばかりを受注し続けていると、執筆量の割に収入が増えない状態に陥ります。例として、1文字あたり0.5円の案件で5,000文字の記事を書いても、報酬は2,500円程度です。修正依頼が入ればさらに時間がかかるため、時給換算するとかなり厳しい収入になります。
低単価案件への依存から脱却するためには、自分の得意分野を見極めて、早めに高単価案件を狙う戦略にシフトすることが大切です。Webライターとしての仕事の感覚がつかめたら、一度、自身の過去の職歴や趣味、資格などを整理して、どの方面から専門性を打ち出せそうかを考えてみると良いでしょう。
専門性の高さをアピールできると、クライアント側に「この人に依頼したい」という印象を与えやすくなります。
落とし穴2:ポートフォリオを作らずに仕事を始める
自分の過去の作品や実績を示すポートフォリオがないと、クライアントが実力を正しく判断できないため、複数のライターと応募が競合した場面で選ばれにくくなる場合があります。
実際、Webライター向けの案件募集では「ライティング経験がわかるサンプルを提示してください」と書かれているものが多いです。初心者歓迎の案件だけでなく、実力が付いてきて企業へ直接応募する場合でも、ポートフォリオを求められるのは一般的なので、必ず用意しておきましょう。
まだ実績がない最初の段階では、簡単なブログ記事のリンクを提示する形でも構いません。得意ジャンルや自分の文体を示せるサンプルを準備しておくと、交渉を円滑に進めやすくなります。
無料のブログサービスを利用するか、テキストファイルをまとめるだけでも、十分にアピール材料になり得ます。ブログ記事が数本程度あれば、少なくとも1本の記事執筆を最初から最後まで完結できる人材であることを伝えられます。
落とし穴3:時間管理ができていない
初心者Webライターにありがちなのが、「時間意識を持たずに漫然と作業を続けてしまう」ことです。
Webライターの収入は、「単価」「文字数」「作業時間」で効率が決まります。案件によっては1記事ごとの単価が設定されているケースもありますが、かかった時間で時給が大きく変動する点では同じです。時間をかけすぎると「作業負担の割に稼げていない」と感じる原因になるため、効率アップを目指しましょう。
加えて、Webライターの仕事は、自己管理ができていないと納期やクオリティに悪影響を及ぼすおそれがあります。締切を守らないとクライアントからの信頼を失い、再依頼につながらないばかりか、評価が下がって他の案件にも支障が出るかもしれません。
時間管理を改善するためには、作業スケジュールを可視化する方法を取り入れると効果的です。Excelシートに作業予定を一覧で作成する、タスク管理ツールを使う、スマートフォンのカレンダーに細かく予定を入力するなど、見える化によってタスクの優先度を判断しやすくなります。
余裕をもって作業時間を確保する姿勢を続けていると、質の高い記事を安定して納品できるようになるでしょう。
Webライター初心者が稼ぐための5つのポイント

初心者が早い段階で成果を出すには、自分に合った進め方を理解し、計画的に学習を重ねることが重要です。特に、得意分野を活かして差別化を図ることや、クラウドソーシングサイトを正しく活用するテクニックは欠かせません。
ここでは、Webライター初心者が稼ぐための5つのポイントを解説します。
自分の強みを明確にする
前述のように、自身の得意とする分野や専門知識を整理しておくと、高単価案件を獲得しやすくなります。たとえば、マーケティングの経験があるなら集客関連の記事を、英語の資格を持っているなら翻訳や海外情報に関するライティングを強みにできます。
強みを洗い出す際は、これまでの職歴や趣味、学歴、得意だと思っていることなどを詳細に書き出してみると、これまで強みだと思っていなかった新たなアピールポイントに気づくこともあります。
専門性を打ち出すとクライアント側から信頼されやすく、単価交渉もしやすくなるため、スタート段階で強みを把握しておく作業は不可欠です。
信頼できる教材やサポートを利用する
より確実にライティングスキルを身につけたい方は、初心者向けの教材やオンライン講座を活用すると、最短ルートで習得しやすくなります。
独学でもライティングスキルの習得は可能ですが、検索に時間がかかったり、誤った情報をもとに学んでしまったりするリスクがあり、結果的に遠回りになる場合が多々あります。
料金を支払って学ぶサービスには、質の高い教材やプロによる添削が用意されているため、自身の改善点を素早く的確に見つけられる点がメリットです。特に、SEOの基礎や魅力的な見出しの作り方など、現場で重視されるテクニックを短期間で学べるため、仕事に直結する知識を効率よく得られます。
関連記事:Webライターは独学可能?詳しい勉強方法やおすすめスクールを解説

ポートフォリオを充実させる
ポートフォリオを作成する重要性については既にお伝えしましたが、単に数を揃えるだけでなく、自身の得意分野や執筆スタイルを明確に示し、こまめに内容を見直して洗練させることが重要です。
Webライティングの案件では、さまざまなジャンルの執筆に関わる機会が多いです。そのため、事前にジャンルに合わせたサンプルをいくつか用意しておくと、クライアントが探しているスタイルに合わせた執筆力をアピールしやすくなります。
専門性の高いライターを求めている企業も多いため、ライティングの仕事に少し慣れてきたら、自分が特に強い分野を軸に据えた構成を早めに考えることが重要です。
クラウドソーシングサイトで仕事を探す
クラウドソーシングは、仕事を依頼したい企業と受注したいフリーランスのマッチングプラットフォームです。代表的なクラウドソーシングサイトとして、ランサーズやクラウドワークスが知られています。
初心者Webライターが入り口として利用するには十分な案件数があり、募集されているジャンルも豊富です。ただし、案件は玉石混交なので、手あたり次第に応募するのではなく、得意分野や文字単価、納期の条件などをしっかり確認して選ぶことが大切になります。
案件に応募する際の提案文には、得意ジャンルや過去の実績、仕事に対する熱意を具体的に記して、クライアントに「この人に依頼すれば安心」と思ってもらうことがポイントです。質の高い案件を地道に探す習慣を身につけると、Webライターとしてスムーズにステップアップできます。
筆者が駆け出しの頃にお世話になっていたのはランサーズです。個人的には、案件の検索がしやすい点が気に入っています。

スキルアップを継続する
Webライターは、SEOの最新動向や読者のニーズに合わせた表現方法、SNSとの連動など、新しい知識が次々に求められる仕事です。ライティング業界のトレンドに乗り遅れないよう、常に最新のニュースにアンテナを張り、動向を把握しておくことが大切です。
定期的にインターネットや書籍やセミナー、オンラインコミュニティなどで情報を仕入れ、実践しながらアップデートを続けることが収入アップにつながります。
加えて、自身の専門分野の最新トレンドも押さえておくと、さらに効果的です。小さな学びの積み重ねがクライアントからの高評価につながり、継続案件の受注や単価向上に大きく貢献します。
Webライターを始めるならまずは副業からのチャレンジがおすすめ

現在、なんらかの本業がある方は、まずは副業からのチャレンジをおすすめします。
副業として始める最大のメリットは、収入が途絶えるリスクを抑えて柔軟に試行錯誤ができる点です。最初は週末や平日のスキマ時間で記事を書き、実績やスキルを少しずつ高めながらWebライターとしての感覚を養うと良いでしょう。
Webライターは初期投資がほぼ不要なため、広告費や在庫リスクなどを気にせずにスタートしやすい点が魅力です。広告戦略の中心がインターネットに移った昨今、企業がWeb上での情報発信を強化する動きは続いているため、安定的な案件の獲得が期待できます。
一念発起して独立するのも良いのですが、収入が途絶える不安に駆られて、つい目先の低単価案件に飛びついてしまいがちです。まずは副業として始めてみて、軌道に乗ってきた頃にさらに本格的に続けていきたいと感じたら、独立を検討するのがおすすめです。
「Webライターはやめとけ」という声は、正しいステップを知れば怖くない
一部のフリーランスが「Webライターはやめとけ」という意見を発信している背景には、低単価案件で疲弊してしまったり、実績不足で苦労したりした経験が隠れていることが多いです。
インターネット上ではネガティブな意見が目立ちやすいものですが、実際には正しい準備や学習をしてから望むことで、初心者でも安定した収入を得ることは十分に可能です。
まずは自身の強みを明確にし、クライアントに響くポートフォリオを整え、クラウドソーシングサイトで案件を厳選してみましょう。
目標を定めて行動すれば、Webライターとしての将来性は決して暗くありません。「Webライターはやめとけ」という言葉に惑わされず、自分の可能性を信じて一歩踏み出してみてください。