「もっと単価を上げたいけど、どう動けばいいかわからない」——そう感じているWebライターは少なくありません。単価アップには、スキルを磨く方向と交渉で動く方向の2種類があり、自分が今どちらの段階にいるかで取るべき行動はまったく異なります。
この記事では、相場感の把握から交渉の例文テンプレまで、今日から実践できる手順を体系的にまとめています。
この記事でわかること
– 単価アップに必要な「スキル強化」と「交渉」の使い分け方
– コピペOKの単価交渉メッセージテンプレート2パターン
– 高単価案件を新規獲得するためのルートと戦略
Webライターが単価を上げる方法は「スキル強化」と「交渉」の2軸
単価アップの手段は大きく2種類に絞られます。1つは「スキルや実績を積んで交渉材料を作る」こと、もう1つは「今すでにある実績を使って交渉を仕掛ける」こと。どちらが先かは、現在の状況次第です。
スキルが不十分なまま交渉しても説得力に欠け、逆に実績があるのに動かないのは機会損失になります。この2軸をどう組み合わせるか、以下で整理します。
スキルが不十分なら先にスキルを上げる
交渉を成功させるには「なぜ単価を上げるべきか」をクライアントに納得させる材料が必要です。納期遵守と文章品質の安定が当たり前になっていない段階では、交渉を切り出しても「まだ早い」と判断される可能性が高い。
経験が浅い時期のライターは、まず専門知識やSEOスキルなど具体的なバリューを作ることを優先しましょう。案件を積みながら、次の項で紹介するスキルアップ行動に取り組んでください。
実績があるなら交渉から動く
継続案件が3本以上あり、クライアントから追加依頼が来ている状態なら、交渉は今すぐ動くべき最速の手段です。スキルアップは時間がかかりますが、交渉は今日メッセージを送ることができます。
交渉の具体的な手順と例文は後のセクションで詳しく解説するので、実績に自信がある方はそちらへ直接進んでください。
【単価相場の把握】文字単価・記事単価・時給の目安一覧
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交渉で具体的な数字を提示するためには、相場感を正確に把握しておく必要があります。「なんとなく上げてほしい」では交渉になりません。自分が今どのレベルにいて、次のレベルに何が足りないかを可視化することが、交渉準備の第一歩です。
文字単価レベル別の目安(〜1円/1〜3円/3〜5円/5円〜)
| 文字単価 | 求められるスキル・実績水準 |
|---|---|
| 〜1円 | 実績なし〜数件。クラウドソーシング入門期。 |
| 1〜3円 | SEO基礎知識あり。継続実績3件以上。 |
| 3〜5円 | 専門ジャンルあり。SEO実績(順位・PV)提示可。 |
| 5円〜 | 高度な専門性。取材・ディレクション対応可。 |
文字単価3円の壁を超えるためには、「専門ジャンルの有無」と「SEO実績の可視化」がほぼ必須条件です。自分が今どの帯域にいるかをこの表で確認し、次のレベルへ上がるために何が足りないかを具体化してください。
記事単価・時給単価に切り替えると単価の壁を超えられる
文字単価には構造的な上限があります。1記事3,000字で文字単価5円でも1万5,000円ですが、「SEO記事1本3万円」という記事単価契約に切り替えれば、文字数に縛られません。
文字単価から記事単価・時給単価への報酬計算方式の変更は、中級者以上が単価の天井を突破するための有効な戦略です。リサーチから入稿まで込みで工数ベースの見積もりを提案すると、クライアント側も品質に見合った対価として受け入れやすくなります。
単価を上げるための5つのスキルアップ行動
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スキルの種類によって「効果の出やすさ」と「習得コスト」は大きく異なります。以下の5つは、単価交渉の武器として実際に効いた実績があるものを優先度順に並べています。何から手をつけるかで、時間対効果が変わります。
①高単価ジャンルの専門知識を身につける(金融・医療・IT等)
金融・医療・法律・IT・不動産などのYMYL領域は、専門知識がないと受注すら難しいため、競合が少なく単価が高い傾向があります。たとえば投資信託の記事では、証券外務員資格や実際の運用経験がある人が優先されます。
自分が過去に携わった職種・資格・趣味の分野から「書ける専門性」を棚卸しするのが最初のステップです。元看護師なら医療、元エンジニアならIT系と、前職スキルが直接高単価案件の武器になります。
②SEOの基礎を学んでブログで実践する
SEOスキルは「持っている」だけでは交渉材料になりません。「このブログ記事が月間1万PVを達成した」「3ヶ月でGoogle3位を獲得した」という実証データが価値を持ちます。
ブログで実践→数値化→ポートフォリオ掲載というサイクルを回すことで、単価交渉時に最も説得力のある証拠になります。コンテンツSEOの基礎と記事構成の作り方を学んでブログに実装し、その成果を数値で示す準備を進めてください。
③WordPress入稿・画像作成などの周辺スキルを追加する
ライティングのみの対応から「入稿・画像設定・メタタグ設定まで込み」に対応範囲を広げると、クライアントにとっての利便性が上がり、単価交渉のレバレッジになります。
特にWordPressの入稿作業と見出しの構造設定は、習得コストが低いわりにクライアントが喜ぶ周辺スキルの代表格です。WordPressの基本設定とSEO施策と合わせて習得しておくと、発注者から見た”使いやすさ”が格段に上がります。
④取材・インタビュースキルで希少性を高める
取材ができるライターは絶対数が少なく、単価は通常の記事執筆の2〜3倍になることがあります。専門家インタビューや経営者取材をこなせるライターはほぼ直接契約案件で動いており、クラウドソーシングに出回りません。
取材ライターへの移行は競合が薄いポジションへの参入であり、単価アップの効果が最も大きいキャリアシフトのひとつです。まずはオウンドメディアの「体験談インタビュー記事」から受注し、実績を積むルートがおすすめです。
⑤ディレクション業務を担って単価の上限をなくす
ライター1本から、複数ライターを束ねる編集ディレクターへのステップアップは、時給換算で最も劇的な改善をもたらします。構成作成・ライター管理・クライアント折衝をセットで担うと、月50万円超えの報酬も現実的な射程に入ります。
ディレクション業務は「書くスキル」よりも「段取りと判断のスキル」が求められるため、ライター経験3年以上の人が比較的スムーズに移行できます。まずは既存クライアントに「構成案作成も担当できます」と提案することから始めてみてください。
【今すぐ使える】単価交渉を成功させる手順と例文テンプレ
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交渉は「勢い」でなく「準備」で決まります。タイミング・構成・言葉遣いの3点を整えるだけで、同じ内容でも相手の受け取り方は大きく変わります。以下のステップで準備し、テンプレをそのまま活用してください。
交渉を切り出すベストタイミング3選
単価交渉に適したタイミングは「信頼関係が積み上がった瞬間」にあります。具体的には次の3つが最もスムーズです。
- 継続依頼が来たとき — 「また頼みたい」という意思表示がある状態は、あなたへの評価が高い証拠。このタイミングで「今後の継続に際してご相談があります」と切り出せます。
- 他社案件が増えたとき — 稼働可能なキャパが逼迫しているという事実は、単価交渉の客観的な根拠になります。
- 業務範囲を広げた直後 — 入稿対応や画像作成を追加した直後は「業務量が増えた」という事実がそのまま値上げの理由になります。
交渉メッセージの書き方|3つの要素を必ず入れる
交渉メッセージは「感謝→実績の提示→具体的な希望単価」の3要素で構成するのが基本です。
- 感謝: 継続依頼への感謝を最初に伝え、クレームではなくポジティブな申し出であることを示す
- 実績の提示: 数字・成果・業務範囲の拡大など、客観的な根拠を1〜2点に絞る
- 具体的な希望単価: 「もう少し上げていただけないか」ではなく、「〇円→〇円」と数字で提示する
「感情的な訴え」ではなく「事実と数字の提示」に徹することで、クライアントが社内決裁を通しやすい交渉文になります。
【コピペOK】単価交渉の例文テンプレ2パターン
パターン①:継続案件での値上げ交渉
いつもお世話になっております。継続してご依頼いただきありがとうございます。
この度ご相談がありご連絡しました。現在、記事の構成から入稿・画像設定まで対応させていただいており、業務範囲が拡大していることを踏まえ、今後の単価について見直しをご検討いただけないでしょうか。
現行の文字単価○円を、○円にご変更いただけますと幸いです。引き続き品質の維持・向上に努めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
パターン②:作業追加提案型の値上げ交渉
いつもありがとうございます。ご提案がありご連絡しました。
現在ご依頼いただいている記事執筆に加え、構成案作成・競合調査・SEOチェックもセットでご提供できます。これにより編集工数の削減につながるかと存じます。
このパッケージで1記事○円にてご対応可能ですが、いかがでしょうか。一度お試しいただけますと幸いです。
この2パターンのうち、パターン②は「値上げ交渉」ではなく「価値提案」のかたちをとっており、クライアントに受け入れられやすい構造になっています。
※交渉テンプレートや案件別のメッセージ例は、拙著「AI時代のWebライターが消耗せずに稼ぐ戦略と仕組み」の3章にも掲載しています。
交渉が断られた場合の対処法とリスクヘッジ
断られること自体は、致命的ではありません。問題はその後の動き方です。断られた直後は関係を悪化させず、3〜6ヶ月後の再交渉に向けて「実績の積み上げ」を続けることが最善策です。
並行して他のクライアントからの収入源を作っておくことで、1社への依存度を下げ、交渉時の心理的余裕も生まれます。「断られたら終わり」という恐怖が交渉を躊躇させる最大の原因なので、複数案件の掛け持ちを先に整えてから交渉に臨むのが理想的です。
交渉前に整えるべき「クライアントから見た理想のライター像」
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単価交渉の成功率は、交渉当日よりも「それまでの日常的な仕事ぶり」によって決まります。クライアントが「この人には単価を上げてでも続けてもらいたい」と感じているかどうかが、交渉の結果を左右します。
納期厳守・修正対応の速さが最低条件
修正対応が遅い、連絡が取れにくいライターは、単価を上げる交渉以前に「信頼性が担保されていない」と評価されています。これは当たり前に見えて、実際には守れていないライターが多い。
24時間以内の返信、修正依頼への即日着手、納期は1日前倒しを習慣にするだけで、クライアントの満足度は大きく上がります。この「当たり前の徹底」が、交渉を切り出しやすい関係性の土台になります。
クライアントの「依存度」を高める動き方
交渉で有利に立てる状態とは、「あなたがいなくなると困る」とクライアントが感じている状態です。具体的には次のような行動が有効です。
- クライアントのメディアの特性・読者層を熟知し、毎回それを反映した提案をする
- 記事のパフォーマンス(検索順位やPV)を定期的に報告する
- 「この切り口も面白そうです」と未指示の提案をする
担当ライターが変わるとコンテンツのトーン・方向性が崩れると感じさせることができれば、交渉では「切り替えコスト」がクライアントの意思決定に働きます。E-E-A-TとGoogleの評価基準を理解してクライアントのメディアに体現することも、この依存度を高める有力な手段の一つです。
高単価案件を持つクライアントを見極める目
どれだけ上手く交渉しても、予算を持っていないクライアントからは単価を上げてもらえません。「このクライアントは単価アップに応じる予算と意思があるか」を最初から見極める視点が、交渉の効率を大きく左右します。
法人運営のオウンドメディア・上場企業のコンテンツ部門・マーケティング会社の案件などは予算規模が大きい傾向があります。一方、個人ブログオーナーへの交渉は構造的に限界があることが多いため、クライアントの属性自体を見直す判断も必要です。
高単価案件の探し方・直接獲得の方法
既存クライアントへの交渉に加えて、最初から高単価な案件を新規で獲得するルートを並行して開拓することが、単価の底上げに直結します。
クラウドソーシング以外のルートを使う(SNS・直営業・紹介)
クラウドソーシングは競合数が多く、プラットフォーム手数料も差し引かれるため、構造的に単価が上がりにくい環境です。一方、X(旧Twitter)でのライター発信・外部プラットフォームなどでのポートフォリオ公開・知人や編集者経由の紹介案件は、仲介手数料がなく交渉余地も大きい。
私自身、クラウドソーシングでの文字単価0.8円からスタートし、SNS経由の直接契約に切り替えて文字単価4〜5円の案件を複数獲得した経験があります。プラットフォームの外に出ることが、単価の天井を外す最短ルートです。
専門特化のポートフォリオで高単価クライアントを引き寄せる
「何でも書けます」というポートフォリオは、誰にも刺さりません。「SaaS企業向けのBtoB記事専門」「女性向け金融コンテンツ専門」のように、発注者が「この人だ」と感じられる専門性の見せ方が重要です。
ポートフォリオに掲載する実績は量より質で、専門ジャンルに絞った3〜5本の厳選記事と、そのSEO成果(検索順位・PVなど)を添えるだけで採用率が大きく変わります。ロングテールキーワードの選び方と記事戦略を活用してブログで実績を作り、そのデータをポートフォリオに組み込む方法も効果的です。
単価が上がらないときに見直すべきチェックリスト
スキルアップも交渉も試したが変化がない場合は、以下のチェックリストで現状を診断してください。
- [ ] 交渉の根拠が「感情」になっていないか — 「頑張っています」ではなく「実績・数字・業務範囲」で交渉できているか
- [ ] クライアント自体に予算がないのでは — 個人ブログ・ミニマム予算メディアへの交渉は構造的に限界がある
- [ ] ポートフォリオが古い・弱いままでは — 最後に更新したのはいつか。SEO実績は記載されているか
- [ ] 専門ジャンルが定まっていないのでは — 「なんでも書けます」は「誰でも代替できます」と同義
- [ ] 交渉タイミングが早すぎた・遅すぎたのでは — 関係構築の前に切り出す、または依頼が減り始めてから動く、という失敗パターンがある
どのチェック項目にも当てはまらず、かつ交渉も断られた場合は「そのクライアントから離れる」という選択が最善策になることがあります。
単価に見合わない仕事を抱え続けることは時間コストの損失であり、その時間を高単価案件の開拓に使う判断が、長期的な収入向上につながります。「辞める・断る」は逃げではなく、戦略的な意思決定です。
まとめ|Webライターの単価アップは「今の自分のステージ」から動き方が変わる
単価アップには「スキルを積む段階」「交渉で動く段階」「案件・クライアントを切り替える段階」の3ステージがあり、今自分がどこにいるかで次の行動は変わります。
実績が不十分なら専門ジャンル確立とSEO実績作りを優先し、実績があるなら今日から交渉に動く。クラウドソーシングの単価に限界を感じているなら、SNS発信や直接契約のルートを開拓する。この記事で紹介した交渉例文テンプレをそのまま活用し、まず1通送ることが単価アップへの最短ステップです。
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