フリーランスで育児と仕事は両立できる?メリット・デメリットと乗り越え方

フリーランス

「フリーランスなら育児と仕事を両立できる」と聞いたことがある一方で、「実際どうなの?」と不安を感じている方も多いはずです。結論からお伝えすると、完璧な両立は難しくても、工夫次第で折り合いをつけながら働き続けることは十分可能です。

この記事では、メリット・デメリットから子どもの年齢別の戦略、見落とされがちな制度の落とし穴まで、7年間フリーランスライターとして育児と仕事を続けてきた筆者が実体験をもとに解説します。

この記事でわかること
– フリーランスと育児を両立するリアルなメリット・デメリット
– 子どもの成長段階に合わせた働き方の変え方
– 保育園審査・社会保障など、検討前に知っておくべき制度の注意点

フリーランスは育児と仕事を両立しやすい働き方か?

自宅でパソコン作業をしながら子どもと一緒にいる親のフラットイラスト、温かみのあるオレンジ・イエロー系カラー、テキストなし

「育児中にフリーランスを選べば全部うまくいく」というのは、少し楽観的すぎる見方です。フリーランスで育児との両立が成立するのは、「完璧な両立」ではなく「今の自分にとってベストな折り合いをつける」働き方として捉えたときです。

会社員であれば就業時間・場所・仕事量は基本的に会社が決めますが、フリーランスはすべて自分で設計します。自由度が高い反面、収入・保障・保育園審査など、会社員が当然のように受けられているサポートが薄くなる側面もあります。これらを事前に理解した上で選択できれば、育児中の働き方として非常に相性が良いのも事実です。

育児×フリーランスの5つのメリット

育児とフリーランスの組み合わせには、会社員では得にくい具体的なメリットがあります。特に「子どもの急な体調変化に対応できるか」という点を重視する方にとって、フリーランスという選択肢は有力です。

時間の融通がきくので子どもの急なトラブルに対応できる

保育園から「熱が出ました」と電話がかかってくることは、育児中の親なら誰もが経験します。会社員の場合、上司への連絡・業務の引き継ぎなど心理的な負担も大きいですが、フリーランスは基本的に自分の判断で動けます。

筆者自身、子どもの発熱で急に午前中の稼働がゼロになっても、翌朝や夜に作業を回すことで納期を守ってきた経験が何度もあります。 運動会・保護者参観などの学校行事への参加も、スケジュール調整さえできれば有給申請不要で対応可能です。

仕事量を自分でコントロールして無理なく働ける

育児の負荷は時期によって大きく波があります。子どもが生まれたばかりの頃や、体調が悪い時期が重なるときは稼働を抑え、安定した時期にしっかり稼ぐという設計が、フリーランスなら取れます。

月収の目標を固定せず「今月は60%稼働」「来月は100%」と柔軟に調整できるのは、雇用されている限り実現しにくい働き方です。 案件の受注数を自分でコントロールできることが、長期的な消耗を防ぐ鍵になります。

在宅勤務で移動コスト・精神的負担を削減できる

通勤往復に1〜2時間かかる職場に勤めていた方が在宅フリーランスに転向すると、単純計算で月40〜50時間を取り戻せます。この時間を育児・家事・自分の休息に回せることが、体力的・精神的な余裕を大きく左右します。

子どもを保育園に送り届けたらすぐ作業開始できるため、移動疲れのない状態で集中時間を確保しやすくなります。交通費・外食費などのコスト削減も、家計管理に直結するメリットです。

見落としがちな3つのデメリットと落とし穴

不安そうな表情で書類と向き合う親のフラットイラスト、落ち着いたブルーグレー系カラー、テキストなし

フリーランスと育児の組み合わせには魅力がある一方、事前に知っておかないと後悔するリスクも存在します。特に「保育園の審査」と「社会保障の薄さ」は、会社員時代には意識しなかった落とし穴です。

収入が不安定になりやすく育児費用の計算が難しい

育児には毎月一定のコストがかかります。保育料・おむつ・習い事・医療費など、子どもの成長に合わせて支出が増える局面も少なくありません。フリーランスは案件の波があり、月によっては収入が大幅に下がることもあります。

半年分の生活費を貯蓄として確保した上でフリーランスに転向することが、育児中の家庭には特に重要な備えになります。 収入が読みにくい時期は低単価案件でも受注数を増やす・定期契約の案件を優先するといった対策が有効です。

保育園の利用審査でフリーランスは不利になることがある

多くの自治体では、保育園の入園審査に「就労証明書」の提出が必要です。会社員の場合は勤務先が発行しますが、フリーランスは自分で作成・申告する形になります。

「本当に働いているか」の証明が難しいと判断されるケースがあり、確定申告書・業務委託契約書・請求書などの書類を揃えておくことが審査通過のポイントです。 自治体によって点数の計算方法が異なるため、居住地の基準を事前に確認しておきましょう。

育休・社会保障が会社員より手薄になる

会社員であれば育児休業給付金・傷病手当金・健康保険の手厚い補償が受けられますが、フリーランスはいずれも対象外か受給額が大幅に下がります。産前産後期間中の国民年金免除制度(2019年〜)やフリーランスの産前産後サポート拡充など、活用できる制度は増えてきています。

ただし自分から調べて申請しなければ受け取れないため、転向前に制度の全体像を把握しておく必要があります。 国民健康保険・国民年金の支払いも続くため、産休・育休相当の期間中の収入ダウンに備えた資金計画が必須です。

子どもの年齢・成長段階別の両立戦略

子どもの成長段階(赤ちゃん・幼児・小学生)を横並びで表したフラットイラスト、パステルカラー、テキストなし

「フリーランスなら育児と両立できる」とは言っても、0歳の赤ちゃんがいる家庭と小学生がいる家庭では、まったく異なる課題があります。育児負荷は子どもの年齢によって大きく変わるため、成長段階に合わせて働き方を再設計することが長続きの秘訣です。

0〜1歳(ねんね〜ハイハイ期):睡眠スキマを使う超短時間集中スタイル

この時期は授乳・夜泣き・昼寝のタイミングに合わせた「細切れ稼働」が基本です。まとまった集中時間を確保するのが難しいため、1回15〜30分で完結できる作業(リサーチ・校正・メール返信など)をタスクとして切り出し、昼寝中・授乳後のスキマに当てはめるスタイルが現実的です。

この時期に高い収入目標を設定すると精神的に消耗しやすいため、「維持する」くらいのマインドで取り組むことが結果的に長続きにつながります。

2〜5歳(保育園・幼稚園期):登園〜降園の時間帯にコア稼働時間を設ける

保育園・幼稚園に通い始めると、日中に2〜6時間程度の作業時間を確保できるようになります。「登園9:00〜降園15:00をコアタイム」として固定し、集中作業をその時間帯に集中させる設計が最も効率的で、この時期がフリーランスと育児の相性が最も良いフェーズです。

案件の増量・単価アップの交渉も、この安定期に仕掛けると良いタイミングになります。パートナーと降園後の家事分担を事前に合意しておくことで、夕方以降の精神的負荷も減らせます。

小学校入学後(いわゆる「小1の壁」):新たな時間制約への再設計

「小1の壁」という言葉があるように、小学校入学を境に親の時間管理は大きく変わります。学童の利用時間・長期休暇中の子どものケア・授業参観や役員活動など、保育園時代とは異なる形の拘束が増えます。

夏休み・冬休みの期間中は稼働量が落ちることを前提に、年間の収入計画を立て直すことが「小1の壁」対策の核心です。 学童の延長料金・民間の学童サービスなど外部リソースの活用も、この時期から積極的に検討する価値があります。

育児×フリーランスを成立させる時間管理の実践テクニック

「時間が足りない」という悩みは育児中のフリーランス全員が抱えます。重要なのは完璧なスケジュールを作ることではなく、限られた時間をチームとして使える仕組みを作ることです。

稼働時間を「固定コアタイム」として家族と共有する

時間管理で最も効果的だったのは、「私が働く時間帯」をパートナーと明確に合意することです。「週〇〇時間は作業に集中する」という約束を家族間で持つだけで、「育児しながらこっそり仕事する」という消耗パターンから抜け出せます。

具体的には、週初めにカレンダーを共有し、コアタイムと育児担当時間を視覚化して家族全員が把握できる状態にすることが、ストレスを減らす最も実践的な方法です。 一人でスケジュールを完結させようとせず、家族全体の仕組みとして設計する視点が、長く続けられる両立の鍵になります。

「完璧な両立」を捨てて「今日のベスト」で動く

育児中は予定通りに進まない日が必ず来ます。子どもが熱を出す・自分が体調を崩す・クライアントから急な修正依頼が入る、といった事態は日常茶飯事です。

「今日できなかったこと」にフォーカスするのではなく、「今日できたこと」を確認して翌日に引き継ぐサイクルを作ることが、長期的なメンタル維持の実践的な方法です。 完璧主義を手放し、「80点で納品できたなら今日は成功」という基準に切り替えると、仕事と育児どちらに対しても余白が生まれます。

会社員とフリーランス、育児支援制度の主な違い

制度面の違いは、フリーランスへの転向を検討する際に必ず確認すべき項目です。会社員は勤め先を通じて自動的に適用される制度が多いのに対し、フリーランスは自分で調べて申請しなければ受け取れない制度がほとんどという点が、最大の違いです。

項目会社員フリーランス
育児休業給付金雇用保険から支給(最大67%)原則対象外
産前産後休暇中の保険料免除国民年金は条件付き免除(2019年〜)
傷病手当金健康保険から支給(最大約67%)国民健康保険は対象外
保育園入園審査就労証明が出やすい書類準備が複雑・審査で不利になりやすい
社会保険健康保険・厚生年金国民健康保険・国民年金(負担大)

制度の差を補う方法として、小規模企業共済・iDeCo・フリーランス協会の保険などを組み合わせてセーフティネットを構築することが現実的な対策です。

育児中のフリーランスにおすすめの職種・スキル

ノートパソコンを操作する人物の周囲に「ライター」「デザイン」「エンジニア」などの仕事アイコンが浮かんでいるフラットイラス

「フリーランス=自由」ではあるものの、職種によって育児との相性は大きく異なります。育児中に選ぶなら、「非同期コミュニケーションが中心」「成果物ベースの評価」「在宅で完結できる」の3条件を満たす職種が特に両立しやすいです。

職種両立しやすさ収入目安(月)スタートまでの目安
Webライター◎ 高い5〜30万円1〜3ヶ月
Webデザイナー○ 中程度10〜40万円3〜6ヶ月
Webエンジニア○ 中程度(会議多め)30〜80万円6ヶ月〜1年
オンライン講師・コーチ◎ 高い5〜30万円1〜3ヶ月
SNS運用・マーケター△ 対応速度が求められる10〜30万円2〜4ヶ月

Webライターはパソコン1台・特別なソフトなしでスタートできる敷居の低さが魅力です。筆者も第一子出産後にWebライターとして本格的に稼働をスタートし、子どもが保育園に入った後に月収を段階的に伸ばしてきた経緯があります。育児の合間に取り組みやすく、未経験からでも参入しやすい選択肢です。

※Webライターとして収入を安定させるまでの具体的なロードマップについては、拙著「AI時代のWebライターが消耗せずに稼ぐ戦略と仕組み」の第2章(クラウドソーシング攻略)に詳しくまとめています。

まとめ

フリーランスと育児の両立は、「完璧を目指さない」「制度の落とし穴を事前に把握する」「家族・外部リソースを積極的に活用する」の3点が土台になります。子どもの成長段階によって最適な働き方は変わるため、「今のフェーズで何が可能か」を定期的に見直す姿勢が長続きの秘訣です。

会社員との社会保障の差・保育園審査の難しさなど、知らずに転向すると後悔するリスクも正直に存在します。この記事で紹介した情報を参考に、ご自身の状況に合った働き方を設計してみてください。

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