提案文を送っても返信が来ない——そんな経験を繰り返していませんか。クラウドソーシングでの案件獲得は、スキルより「提案文の質」で決まることが少なくありません。
この記事では、採用される提案文の基本構成から、コピペOKのテンプレート、落とし穴になるNGパターン、さらにプラットフォームごとの書き分け方まで、一気に解説します。
この記事でわかること
– 採用される提案文の基本構成5ブロックと各ブロックの書き方
– 職種・状況別のコピペOKテンプレート(未経験者対応あり)
– クライアントが提案文で本当に見ているポイントとNG例の改善方法
まず知っておく|採用される提案文の「基本構成5ブロック」
提案文には、採用されやすい型があります。この型を知らずに「自己紹介+やる気アピール」だけを送り続けても、採用率はなかなか上がりません。まずは全体の骨格となる5つのブロックを確認しましょう。
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冒頭文(最初の3行)——クライアントの離脱を防ぐ鉄則
クライアントは多数の提案文を受け取るため、最初の3行で「読む価値があるか」を判断します。「はじめまして、〇〇と申します」から始まる定型文は、その時点で印象が薄れます。
冒頭でやるべきは「相手の仕事内容への理解」を示すこと——たとえば「貴社の〇〇という課題に対して、私は××のアプローチで解決できると考え応募しました」のように、案件の内容を読み込んだ言葉を冒頭に置きましょう。
自己紹介——名前・経歴を”信頼”に変える書き方
自己紹介は長くなりがちですが、提案文の中では2〜3文で完結させるのが原則です。本名かビジネスネームかは案件の性質に合わせて選び、「Webライター歴2年、月間10万PVのブログを運営」のように数字と実績を組み合わせると、一文で信頼感が生まれます。
実績・ポートフォリオ——実績ゼロでも代替できる示し方
実績がある人は関連性の高いものを1〜2件に絞って提示します。「10件の実績があります」と並べるより、「貴案件と近いECサイトの商品説明文を担当し、クライアントから継続依頼をいただきました」と1件を深掘りするほうが効果的です。
実績がない場合は、自主制作や練習作品でも代替できます(詳しくは後から解説します)。
作業条件の明示——納期・稼働時間・価格の書き方
「条件はご相談ください」だけでは、クライアントにとって不安が残ります。稼働可能時間・最短納期・希望単価の目安を明記するだけで、返信率が上がります。
「平日は1日3〜4時間稼働可能、初稿は受注から3営業日でご提出できます」のように具体的な数字を入れると、スケジュール調整のイメージが湧きやすくなります。
締めの文章——返信したくなる”一言”の作り方
「よろしくお願いいたします」で終わる提案文は無難ですが、もう一歩踏み込むと差がつきます。
「まずは一度、お気軽にご相談いただければ幸いです」や「サンプル執筆も対応可能ですので、お声がけください」のように、返信へのハードルを下げる一文を添えると、クライアントが動きやすくなります。
【コピペOK】採用率が上がる提案文テンプレート
ここでは実際に使えるテンプレートを3パターン掲載します。カスタマイズすべき箇所は【 】で示していますので、自分の状況に合わせて書き換えてください。
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テンプレ①——実績あり・ライター・Webデザイナー向け汎用型
【案件内容への共感・理解を示す冒頭文】
貴案件の【案件の概要・課題】について、私がお役に立てると考え応募いたしました。
【自己紹介(2文以内)】
Webライターとして【年数】年、主に【ジャンル】の記事執筆を担当しております。
これまでに【数字】本以上の記事を納品し、【実績の一言コメント】という実績があります。
【関連ポートフォリオ】
近いジャンルのサンプル記事をご確認いただけます:【URL】
【作業条件】
・稼働時間:平日【〇】時間程度
・最短納期:受注から【〇】営業日
・希望単価:【〇】円〜(ご相談可)
ご不明点があれば、お気軽にご連絡ください。
よろしくお願いいたします。
このテンプレートの最大のポイントは「冒頭で案件内容に触れること」——ここを定型文にすると、その後の実績がどれだけ立派でも通過率が下がります。
テンプレ②——完全未経験・実績ゼロからの応募向け
【案件への理解を示す冒頭文】
貴案件の【内容】を拝見し、私の【関連するスキル・学習経験】が活かせると感じ応募しました。
【自己紹介と現状の正直な開示】
現在クラウドソーシングを始めて【期間】のため、受注実績はまだございません。
ただし、【学習・準備内容】に取り組んでおり、以下の自主制作物をご用意しています。
【自主制作のURL or 添付説明】
練習として作成したサンプル:【URL or 「添付ファイルをご確認ください」】
【条件】
・納期:受注から【〇】営業日
・単価:まずは【〇】円でご提案(品質をご確認いただいた上でご相談させてください)
まずはお試しいただける機会をいただければ幸いです。
実績がないことを隠すより開示するほうが、誠実さの評価につながります。「まだ実績はないが、ここまで準備している」という姿勢を見せることが採用への近道です。
テンプレ③——継続案件・長期契約を狙う際の提案文
【案件内容への共感と長期視点の提示】
貴案件を拝見し、単発のご依頼にとどまらず、継続的にお力になれると感じ応募しました。
【自己紹介と強み】
【ジャンル】のライターとして【年数】年、複数のクライアント様と長期契約を継続中です。
特に【強みの具体例】の点でご評価いただくことが多く、【実績のひと言コメント】。
【長期案件への姿勢】
継続業務では、月次の進捗報告・修正対応の迅速化など、運用面でのサポートも積極的に行います。
まずは1本ご依頼いただき、品質・レスポンスをご確認の上でご判断いただけると幸いです。
【条件】
・月間稼働:【〇】本〜対応可
・単価:【〇】円/本(継続の場合は別途ご相談)
長期案件は初回提案でいきなり継続を求めるのではなく、「まずは1本で品質を確認してもらう」という提案が、クライアントの心理的ハードルを下げる鍵です。
※提案文テンプレートの活用法や、クラウドソーシングから外に出るための単価アップ戦略は、拙著「AI時代のWebライターが消耗せずに稼ぐ戦略と仕組み」の2章(クラウドソーシング攻略)に掲載しています。
クライアントが提案文で”本当に”見ているポイント
「スキルがあれば採用される」と思いがちですが、実際のクライアント目線はやや異なります。特にクラウドソーシングの場合、スキルより先に「このフリーランサーに仕事を任せて大丈夫か」という安心感を確認しているのです。
スキルより「安心感」——クライアントが無意識にチェックする3要素
クライアントが提案文を読む際に無意識に評価しているのは、主に以下の3点です。
- 文章の丁寧さ: 誤字・敬語の乱れがないか。コミュニケーション品質の代理指標になる
- 条件の明確さ: 納期・稼働時間・価格が書かれているか。曖昧な提案は交渉コストが高い
- 先回り回答: よくある懸念(「未経験では?」「納期は間に合う?」)に提案文内で答えているか
「スキルを証明するより、不安を先に取り除く」のが採用率を上げる最短ルートです。実際に、Webライターの案件で実績が豊富な応募者より、条件を明確に書いた未経験者が選ばれるケースは珍しくありません。
提案文の「理想的な文字数」——長すぎ・短すぎの境界線
提案文は300〜500字程度が目安です。クライアントは多数の提案を短時間で読むため、長文は読まれないリスクがあります。一方、100字以下では「本当にこの仕事に興味があるのか」と疑われることになります。
長文になりがちな原因は「自己紹介の詳細すぎる職歴」と「やる気の繰り返し表現」の2つです。職歴は関連スキルだけに絞り、「頑張ります」「全力で取り組みます」は一度だけ書けば十分。削れる言葉を削った後に残る内容こそが、クライアントに伝えるべき本質です。
これで落ちる!NG提案文パターンと改善例
採用されない提案文には、共通するパターンがあります。「なぜ返信が来ないのか」がわからない場合、自分の提案文が以下のどれかに当てはまっていないか確認してみてください。
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NG①——コピペ定型文をそのまま送る
「はじめまして。案件に興味を持ち応募いたしました。誠実に対応します」——このような文章は、クライアントに「一括送信している」と即座に見抜かれます。複数の応募者に同じ文面が来ているため、目立たないだけでなく「仕事に対する本気度がない」と判断されてしまいます。
改善例: 案件説明文にある「〇〇に困っている」「△△が課題」という部分をそのまま引用して、「この点については私の経験が活かせます」と繋げるだけで、カスタマイズ感が生まれます。最低でも冒頭の1〜2文を案件に合わせて書き換えるだけで、通過率は大きく変わります。
NG②——自己紹介が長すぎて本題にたどり着かない
「大学でマーケティングを学び、前職では〇〇に携わり、その後独立して……」のように、経歴を時系列で丁寧に書く提案文は読まれません。クライアントが知りたいのは「この案件に役立つスキルがあるか」だけです。
改善するには、「この案件に関係ない経歴は全部カット」のルールを適用します。たとえばWebライター案件なら、前職が事務職だったとしても「文章を読み込む習慣があった」という形で案件に紐づければ済みます。冒頭300字以内に「案件理解→自己紹介→実績」の順番で収める構成を意識してください。
NG③——”自分ができること”しか書いていない
「SEO記事が書けます」「デザインが得意です」だけでは、なぜ自分を選ぶべきかが伝わりません。クライアントが求めているのは「自分の課題を解決してくれる人」であり、「スキルを持っている人」ではないからです。
書き換えの方法はシンプルです。「〇〇ができます」→「〇〇によって、△△という課題を解決できます」と変換する。「私は〜できます」を「あなたの〜を解決します」に置き換えるだけで、提案文の印象が大きく変わります。
実績・ポートフォリオを最大限に活かす見せ方
ポートフォリオを「作品の一覧」として貼るだけでは、採用率を上げる効果は限定的です。「この人が作ると、こういう成果が出る」という流れを見せることが重要になります。
実績ゼロなら「架空案件・自主制作」で代替する
クラウドソーシングを始めたばかりの人に共通する悩みが「実績がない」こと。しかし、誰もがゼロからスタートしており、実績なしで採用された経験を持つライターやデザイナーは大勢います。
具体的な代替方法は3つあります。①架空のクライアントを想定して作品を制作する、②既存の記事やデザインをリライト・リデザインして比較として提示する、③Webサービスや地域のお店などのLP・記事をボランティアで制作して掲載許可をもらう。「実績がない」ことより「サンプルを用意する手間を惜しんでいる」印象のほうが、採用率に大きなマイナスになります。
ポートフォリオを提案文に組み込む最適なタイミングと書き方
URLを貼るだけでは見てもらえないリスクがあります。「詳細はこちらをご覧ください」ではなく、「〇〇という案件に近い記事です:【URL】」と一言添えて、なぜそのサンプルを選んだかを示しましょう。
また、クラウドワークスではプロフィールのポートフォリオ欄を充実させておくことも重要です。提案文の中でURLを提示しつつ「プロフィール欄にも関連サンプルを複数掲載しています」と誘導すると、クライアントが自分のペースで確認できるため、評価につながりやすくなります。
【プラットフォーム別】提案文で意識すべき違い
クラウドワークス、ランサーズ、ココナラは同じクラウドソーシングでも文化が異なります。同じ提案文をどのプラットフォームにも貼り付けていると、それぞれの場で評価されにくくなります。
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クラウドワークス——提案文の標準的な作法と文字数感
クラウドワークスは国内最大手のため、1件の案件に10〜50件以上の応募が集まることも珍しくありません。競合が多い分、「差別化」が特に重要です。提案文の文字数は300〜500字が標準的で、長文は読まれないリスクが高い媒体です。
クライアントの多くが「初めて発注する個人事業主や中小企業」であるため、専門用語を避けた平易な文体のほうが好印象を与えます。「御社の〇〇という課題に対して」という書き出しで相手への理解を示すと、他の応募者との差別化になります。
ランサーズ——提案ポイント制度を意識した戦略的応募
ランサーズでは提案にポイントを消費する仕組みがあるため、応募には費用がかかります。この点を逆手に取ると、「ポイントを払ってでも応募してきた=本気度が高い」という印象をクライアントに与えられます。
一方で、ポイント消費があるからこそ、案件をよく選んで応募することが重要です。「少し関係があれば応募する」という戦略より、「確実に採用できる案件に絞る」戦略のほうが費用対効果が高まります。提案文のトーンは丁寧かつ具体的で、スキルシート(ランサーズ独自の実績記録機能)を提案文内で参照させるのも効果的です。
ココナラ——出品型のため「提案文」より「サービス説明文」が鍵
ランサーズやクラウドワークスがクライアント主導の「案件公募型」であるのに対し、ココナラは出品者が自分のサービスを登録して購入してもらう「出品型」が基本です。つまり、提案文よりもサービスページの「説明文・サービス内容・パッケージ設計」のほうがCVに影響します。
ただし、ランサーがクライアントに提案できる機能もあります。その際の提案文は「サービス内容の説明」より「あなたの案件にこのサービスがどう合うか」を伝える内容にすると効果的です。ココナラは口コミと評価が購入判断に大きく影響するため、初回取引後のフォローが次の案件獲得に直結します。
採用後を見据えた提案文——リピート受注につなげるひと工夫
毎回新規で案件を探し続けるのは消耗します。リピート受注や紹介が生まれると、提案文を書く頻度が下がり、安定した収入につながります。初回の提案文の時点で、その布石を打つことが可能です。
「長期的なパートナーとして貢献したい」という姿勢を提案文に自然に盛り込むだけで、クライアントの意識が変わります。具体的には、テンプレ③で示したように「まずは1本でご確認いただき、継続についてはご依頼の品質をご確認後にご相談させてください」という一文が有効です。単発案件でも、この一文を添えることで、クライアントが「この人はまた頼めるかもしれない」と意識するようになります。
さらに、採用された後の納品時に「次回もお役に立てる機会があれば、ぜひお声がけください」と添えると、リピート率が上がります。提案文と納品コメントはセットで設計するイメージが大切です。クラウドソーシングで安定して稼ぐ仕組みについては、クラウドソーシングの外への出方も含めた戦略も参考になります。
まとめ
採用される提案文には「型」があります。冒頭で案件への理解を示し、自己紹介・実績・条件・締め文を300〜500字に収める構成が基本です。
コピペ定型文・長すぎる自己紹介・自分視点の文章がNG三大パターンで、これを避けるだけでも通過率は変わります。実績がない場合は自主制作で代替でき、プラットフォームごとの文化に合わせた書き分けも採用率を左右します。
まずはこの記事のテンプレートを1つ選び、自分の情報で書き換えて送ってみてください。行動した数だけ結果が蓄積されます。提案文の改善を続けながら、最終的にはリピート受注が生まれる仕組みを育てていきましょう。
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