「AIを使えばWebライターの仕事が速くなると聞いたけど、実際どの工程でどう活用すればいいのかわからない」——そんな疑問を持つライターは少なくありません。ツール紹介記事を読んでも、何を入力すればいいかの具体例まで書かれていないことが多く、結局使いこなせないまま、というパターンも珍しくありません
本記事では7年間のWebライター経験をもとに、リサーチ・構成・初稿・校正の工程別AI活用法を具体的な手順とプロンプト例つきでまとめました。読み終えたその日から実践に移せる構成にしてあります。
この記事でわかること
– WebライターがAIを活用できる5つの工程と具体的な手順
– ファクトチェック・AI臭さ・クライアント対応の3つのリスクと回避策
– 精度が大幅に上がるプロンプトの書き方のコツ
WebライターがAIを使う工程は「5つ」に絞れる
AIを実務に取り入れようとしたとき、何から手をつければいいか迷う方は少なくありません。「全部AIに任せる」も「補助的に使う」もざっくりしすぎていて、実際の業務フローに落とし込みにくいのが現実です。
Webライターの仕事を分解すると、AIが効果的に機能する工程は次の5つに整理できます。
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①リサーチ・情報収集
リサーチ工程は、AIによって最も時間を圧縮できる工程のひとつです。Perplexityは検索型AIで、質問に対して出典付きの回答を返すため、基本情報の把握や競合論点の整理に使えます。
GoogleのNotebookLMには資料PDFを読み込ませることで、複数の一次情報を横断的に要約・比較することも可能。リサーチにAIを活用するだけで、従来2〜3時間かかっていた情報収集が1時間以内に収まるケースも珍しくありません。
ただし、AIが返す情報は必ず一次ソースで裏取りすること。特に医療・法律・金融などのYMYLジャンルでは、AI出力をそのまま使うのは禁物です。
②構成・見出し設計
構成設計にChatGPTを使うとき、「〜の記事の構成を作って」と入力するだけでは精度が低くなりがちです。
「対象読者:〇〇を悩む人。検索意図:〇〇を知りたい。競合にない切り口:〇〇」という前提情報を先に渡してから構成案を出させるのがコツ。前提情報を整理してからAIに構成を依頼すると、見出しの抜け漏れが減り、修正コストが大幅に下がります。
ロングテールキーワードの選び方と攻略法も意識すると、AIへの指示に盛り込む情報の精度がさらに上がります。
③初稿作成(補助としての活用)
初稿をAIに全文生成させるのは、Webライター実務ではリスクをともなう方法です。情報の正確性が担保されないほか、クライアントに「AI丸投げ」と判断されるケースもあります。
推奨する使い方は、「この段落で伝えたいことを箇条書きで入力→AIに文章化させる→自分の体験・数字を加えて書き直す」というフロー。AI生成文は「素材」として扱い、自分の言葉と経験値で編集・再構成することで、ライターとしての付加価値が生まれます。
④表現・言い回しの壁打ち
文章を書いていて「この表現でいいのかな」と詰まる瞬間は、誰にでもあります。そのタイミングでAIを壁打ち相手として活用するのが効果的。「この文をもっと簡潔に言い換えて」「読者に親しみが持てる表現に直して」とClaude/ChatGPTに入力すると、複数の言い回しを一気に提案してもらえます。
自分一人では思いつかない表現の選択肢が広がるため、執筆スピードよりも「表現の多様性」を高める使い方として有効です。最終的にどの表現を採用するかは必ず自分で判断し、AI提案をそのまま貼り付けるのは避けましょう。
⑤校正・推敲
校正工程では、AIを「一次チェック担当」として位置づけると効率が上がります。「誤字脱字・文体のブレ・論理のつながりが弱い箇所を指摘してください」というプロンプトで文章を渡すと、見落としがちなミスを拾ってくれます。
AIの校正はあくまで補助であり、最終確認は必ず人間が行う——特にファクト部分の一次ソース確認は、AIには委ねられません。読点の位置や細部の文体まで自動化しようとすると自分の文体が薄れていくため、核心的なチェックに絞って使うのが得策です。
「自分の意見」を先に決める——AI活用の大前提
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AIを使っても記事が「どこかで見たような内容」になってしまうのは、ツールの問題ではなく入力情報の問題です。AIは渡された情報をもとに文章を生成するため、インプットが浅ければ他のライターと同じ出力になります。
差別化のカギになるのは「自分の意見・体験・一次情報を先に固めること」。実際に試したことや業界関係者から聞いた話を箇条書きでAIに渡すと、出力の独自性が格段に上がります。
読者の疑問に深く答えるためのベースは、ライター自身の視点と経験値。AIを使いこなすために最初にすべきことは、ツールの選定より先に「自分が何を伝えたいか」を固めることです。
工程別おすすめAIツールと使い分け
工程に応じてツールを使い分けると、同じ作業時間でもアウトプットの質が変わります。Webライター実務で多く使われているツールを、工程との対応関係で整理します。
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ChatGPT——構成・初稿の壁打ちに
ChatGPTは、アイデアの展開や構成案の作成において汎用性が高いツール。「この見出し構成を検索意図に合わせて並び替えて」「この段落の主張をもっと具体的な理由で補強して」など、ブレストや構成整理での壁打ちに向いています。
Google謹製のGeminiも同様の用途で活用できますが、日本語の出力精度と指示への追従性ではGPTが現時点で安定しています。
1回の対話で複数の方向性を出させ、使えるものだけ抽出する「試案工場」として使うと、ゼロから考える時間を大幅に短縮できます。
Claude——文体調整・長文校正に
Anthropicが開発したClaudeは、長文の一貫性チェックや文体統一を得意とします。3,000字以上の原稿を渡して「語尾のブレや冗長な表現を指摘して」と依頼すると、人間が読み飛ばしがちな箇所まで丁寧に拾ってくれます。
「書き手の文体に合わせた言い換え候補を提示する」精度が高く、ライターの個性を損なわずに文章を磨くツールとして重宝します。
無料プランでも十分に使えますが、長文処理の頻度が高い場合は月額20ドルのProプランが費用対効果の面で優れています。
Perplexity / NotebookLM——リサーチの時短に
Perplexityは、Google検索の代替として機能する出典付き検索AIです。「〇〇について最新の情報を整理して」と入力すると、ウェブから情報を収集して出典つきで返すため、基本情報の素早い把握に向いています。
NotebookLMはGoogleが提供するAIで、PDFや公式資料を読み込ませると複数ソースを横断的に要約・比較できます。複数の一次情報を素早く整理したい工程では、NotebookLMが突出した効率を発揮します。取材メモや白書など、テキスト量が多い資料を扱う案件で特に威力を発揮します。
AI活用で気をつける3つのリスク
AIを使えば作業が速くなる一方で、実務上のリスクも存在します。特にクライアント案件では、品質面での事故が信頼関係に直撃しかねません。
事前に把握しておくべき3点を整理します。
情報の誤りと古さ——ファクトチェックは必須
AIの学習データには「締め切り日(カットオフ)」があり、最新情報が反映されていないことがあります。また、もっともらしく見えるが事実ではない内容を生成する「ハルシネーション」のリスクも無視できません。
統計データ・価格・人名・団体名などファクトが必要な要素は、AI出力を一次ソースで必ず確認してください。Googleが重視する「信頼性」の観点からも、誤情報はサイト全体の評価を下げる要因になります。
文章が「AI臭く」なる問題
AI生成文には、語尾や構成が均質化しやすいという特性があります。「まず〜。次に〜。最後に〜。」という3段構成が繰り返されたり、「〜することが重要です」「〜が求められます」という語尾が連続したりするのが典型的なパターン。
AI臭さを防ぐ最も効果的な方法は、AI生成文をそのまま使わず、自分の言葉で書き直す一手間を加えることです。具体的な体験談や数字、業界独特の言い回しを加えるだけで、一次情報の厚みが生まれます。
クライアントが「AI丸投げ」を嫌がるケース
すべてのクライアントがAI活用を歓迎するわけではありません。医療・法律・金融系のメディアでは「AI使用禁止」を明記しているケースが増えており、明示的な禁止がなくても、AI生成文を検知するツールを導入しているクライアントもいます。
案件受注の段階で「AIの活用可否と利用範囲」を確認しておくと、後のトラブルを防げます。「リサーチ補助のみ」「構成案の検討まで」など、自分なりの利用範囲を明文化しておくのが安心策です。
プロンプトで差がつく——精度を上げる書き方のコツ
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AIへの指示(プロンプト)の質が、アウトプットの質をほぼ決めます。「〇〇について書いて」という曖昧な指示では期待どおりの出力は得られません。
精度を上げるプロンプトには、「役割・制約・出力形式」の3要素が揃っています。
構成案を作成するプロンプト例
あなたはSEOライターです。
【キーワード】Webライター 在宅
【対象読者】副業でWebライターを始めたい会社員
【検索意図】在宅でWebライターとして稼ぐ方法を知りたい
【競合にない切り口】0円で始められる点、副業規定の確認ポイント
上記を踏まえて、4,000字の記事向けH2/H3構成案を作成してください。
各H2には100字以内の内容説明をつけてください。
精度を上げる3要素
– 役割を与える: 「あなたはSEOライターです」と最初に定義することで、出力のトーンと専門性が変わる
– 制約を書く: 「〜は含めない」「〜字以内で」「体言止めを使わない」など、不要な出力を事前に排除する
– 形式を指定する: 「箇条書きで」「見出し形式で」「テーブル形式で」と出力フォーマットを明示する
この3要素をプロンプトに盛り込むだけで、最初の試案として使えるアウトプットが得られる確率が大幅に上がります。
※AIを活用した執筆ワークフローの具体的なプロンプトテンプレートは、拙著「AI時代のWebライターが消耗せずに稼ぐ戦略と仕組み」の4章(AIワークフロー)に掲載しています。
AIを使いこなすライターが持つべきスキル
AIが普及しても、Webライターの仕事がなくなるわけではありません。変わるのは「何を自分でやり、何をAIに任せるか」の線引きです。
AIに代替されにくいのは、一次情報を持ち込む力・編集眼・専門知識の3つ。
AI生成文を「使える文章」に仕上げるには、編集眼が不可欠です。文章の論理構造を見抜き、読者が引っかかりやすい箇所を修正する力は、AIには持てないライター固有のスキル。実体験・取材・特定分野の専門知識を持つライターは、AI出力の事実確認と肉付けを担えるため、単価の高い案件での競争力が上がります。
AIに仕事を奪われるという不安よりも、「AIを使いこなせるライター」というポジションを確立するほうが、収益面でも精神的にも現実的な選択肢です。
まとめ
WebライターのAI活用は、工程ごとに適切に使い分けることが大前提。リサーチはPerplexity/NotebookLM、構成・壁打ちはChatGPT、長文校正はClaudeと使い分けると効率が上がります。
ただし、AIに何かを渡す前に「自分が何を伝えたいか」を固めること、ファクトチェックを徹底することは、品質を守るための最低条件。まずはプロンプトの3要素(役割・制約・出力形式)を意識しながら、使い慣れたツールを1つだけ実務に組み込んでみてください。
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