適応障害で会社を休職…傷病手当金が満額もらえなかった!
突然ですが、過去に9ヶ月ほど適応障害で会社を休職していた経験があります。
というのも、職場環境の問題でかくかくしかじかありまして……今ではすっかり元気なのですが、当時はもう精神的に参ってしまっていたんですね。
私もずいぶんと傷病手当金に助けられたのですが、実はこの「傷病手当金」には思わぬ落とし穴がありました。
その結果、本来6ヶ月分受け取れるはずだった傷病手当が4ヶ月分しかもらえなかったので、同じ轍を踏む人を増やさないためにも、そのときの経験から注意点などを書いてみようと思います。
その前に、そもそも傷病手当金ってなに?
傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139/
(全国健康保険協会より)
要するに、「病気になったり怪我をして会社に行けなくなったら、加入している健康保険組合が給与の一定割合の金額を支給するよ」という制度です。
会社からの収入がなくなっても安心して治療に専念できるように設計された制度、というわけですね。期間は最長1年6ヶ月までもらえるので、療養が比較的長くなった場合でももらうことができます。
支給の細かい条件はいろいろとあるのですが、この記事を読まれているような方はご存知の方が多いと思うので割愛します。
適応障害で傷病手当金を申請する方法
傷病手当金を申請する場合には、各健康保険組合の申請書にある、下記の3つの欄を記入して提出する必要があります。
- 自分(傷病手当金を受け取る人)が記入する欄
- 会社が記入する欄
- 医師が記入する欄
各健康保険組合によって様式は違いますが、大体1枚につき1ヶ月分~2ヶ月分を申請できるようになっています。複数月分申請するならその枚数だけ同じように記入して出す、という仕組み。
俗に言うブラック企業なんかだと、2つ目の「会社が記入する欄」に記入してもらえなくて修羅場になった……なんて話はよく聞きますが、幸運にも私はその点は問題なく通過できました。
私は3つ目の「医師が記入する欄」に一筆頂くことができなくて、2ヶ月分の傷病手当金を申請できない事態になってしまったんです。
「医師が診断していない月」は傷病手当金の申請書に所見を書けない!
前述の通り、傷病手当金を受け取るには「医師が記入する欄」に自分がかかっている心療内科や精神科の医師から一筆もらうことが必要です。
そしてこれには条件があり、「医師が診断していない月についての所見は書けない」ということです。
私は北海道出身の横浜市民なのですが、ひとり暮らしでは大変だからと、復職前の2ヶ月ほどは実家に帰って療養していたんですね。
通っていた病院は関東圏だったので、実家に帰ってしまうと当然ながらクリニックに通うことは難しいです。そして、実家に帰ろうと思っているということは、事前にかかりつけの医師にも相談していました。
ですが、いざひとり暮らしの自宅に戻ってかかりつけのクリニックに傷病手当金の申請書を持参していくと、下記のようなことになってしまったんです。
先生、ここ2ヶ月はずっと具合が悪くて実家に帰っていたので、1度も病院に来られませんでした。なので、過去の2ヶ月分も申請書に記入してもらえませんか?
レイニーさんが病院に来ていない期間、本当にその状態だったのか僕は見ていないので、ダメです。医師は嘘を書くことはできないんですよ。
でも、実家に帰ると相談したときは、そのお話はなかったですよね? 大丈夫だと思っていたのに、もらえないと困ってしまうのですが……
こういうのは1ヶ月に1回は通院してもらうのが原則なんですよ。病気を治す意思があるかどうかってことを確認する意味もあるので。だから、書けませんね。諦めてください。
実家に帰る相談をしたとき、医師からは「1ヶ月に1回通院しないと傷病手当金の申請書は書けませんよ」と言われたことはありませんでした。
おそらく今の元気な状態の私なら、事前に傷病手当金を受給できる条件をしっかり自分で調べられたと思うのですが、なにしろ心身ともに極限まで弱っていて毎日を寝て過ごすような状態。そんなことを考えられるような思考力はどこにも残っていませんでした。
あの手この手でお願いしたのですが、かかりつけの医師はとにかく書けないとの一点張り。
これ以上争いを続けてしまえば今後の関係にもひびが入ってしまいそうだったので、結局、2ヶ月分の受給については泣く泣く諦めざるを得ませんでした。
幸いにもこの頃にはずいぶんと元気になっていて(だから実家から戻ったのですが)、その月から職場に復帰することができたので生活に困ることはありませんでしたが、もう少し休職が続いていたらかなり厳しかったかもしれません。
職場の人事にもどうにかならないかと事情を相談したのですが、医師の一筆の力は強く、どう頑張っても難しいだろうとのことでした。
傷病手当金を受け取るには、1ヶ月に1回以上必ず通院するようにしよう!
医師は「患者を診断していない月の所見は書くことができない」ので、最低でも1ヶ月に1回は必ず通院して、医師の所見を傷病手当金の申請書に書いてもらえる状態にしておきましょう。
もちろん、1週間に1回や、2週間に1回の通院をするように言われている場合は、医師の指示を守ることが大切です。
「この月は診察していないので、あなたが傷病手当金を支給しなければならない状態だったかどうかはわかりません」と医師に言われてしまうと、その月の受給は難しくなってしまいます。
いざ申請しようと思ったときに青ざめて私のようになってしまわないためにも、定期的な通院は欠かさないようにしましょうね。