ITは日々進化を続けており、パソコンのスペックもめくるめく速度で上がっています。目覚ましい技術の進歩のおかげで、搭載されているメモリの容量もどんどん増えているのが現状です。
パソコンを新しく選ぶとき、「メモリは何GB(ギガバイト)にしますか?」と聞かれることは多いのではないでしょうか。「よく分からないのでおすすめを教えてください」と家電量販店で店員さんにお願いしたら、動作が重くて思ったよりも快適に使えなかった、という経験をしたことがある人もいるでしょう。
そこで今回は、最適なメモリの容量を用途別に紹介します。購入するパソコンのメモリ選びに迷っているなら、ぜひ参考にしてみてください。
パソコンのメモリは大きければ大きいほどいい?
「大は小を兼ねる」ということわざがありますが、メモリに関しては概ね正解です。メモリは基本的に「大きすぎて困る」ことはないのですが、「小さすぎて困る」ことはよくあるからです。
とはいえ、メモリが大きいものを選べばそれだけ値段も上がっていきます。そのため、自分の用途に合わせた容量のパソコンを選ぶことが大切です。
料理をしないのに立派なオーブンレンジを買っても宝の持ち腐れになってしまうので、あたため機能だけが付いているシンプルな電子レンジを買うようなイメージです。
メモリの容量別にパソコンの使い道を解説します
パソコンに搭載されているメモリの容量は、最近では「4~16GB」くらいが一般的です。少し前までは2GBのメモリもそこそこ出回っていたのですが、パソコンのスペックが底上げされて、あまり見かけなくなりました。
中古ショップで販売されているような古い型のものだと、今でもときどき目にすることがあるかもしれません。ただし、Windows7より以前の機種が多く、マイクロソフトのサポートが切れてしまっていて使えないものがほとんどでしょう。
逆に、デザイナーや建築関係の仕事をする人のパソコンには、32GBや64GBのような大きいメモリが搭載されている場合もあります。
それでは、代表的なメモリの容量別に、どんな用途が適しているのかを見ていきましょう。
メモリ容量:4GB
いわゆる「普通のスペック」のパソコンには、4GB程度のメモリがあれば十分です。
インターネットで画像や動画を閲覧する、メールを送受信する、ワードやエクセルで文書を作成するなど、あまり負荷のかからない処理が中心なら、4GBあれば問題なく動作してくれます。
メモリが4GBの機種は安価なので、企業が使う事務作業用のパソコンにも選ばれやすいです。
メモリ容量:8GB
「少しいいスペック」のパソコンには、8GB程度のメモリがほしいところです。
インターネットで動画を見ながらiTunesなどの少し重いソフトを頻繁に使用するなど、複数のソフトを同時に使用することが多い場合は、8GBあると安心です。
ちなみにPhotoshopなどの画像処理系のソフトも動かないことはないのですが、使っているうちにだんだん動作が不安定になってきます。
私が以前使っていた、4GBから8GBにメモリを増設した(条件次第で自分でパソコンのメモリを増やすことができる場合があります)Windows7では、インターネットとWordを開きながらPhotoshopを使おうとすると、高確率でソフトが落ちてしまっていました。
メモリ容量:16GB
「かなりいいスペック」のパソコンには、16GB程度のメモリが搭載されていることが多いです。
このあたりまで来ると、インターネットで動画を見ながらゲームをしたり、Photoshopを快適に動作させたり、簡単な動画編集ができたりと、自由度が広がります。
とにかくストレスなくパソコンを使いたい!という場合は、16GBの機種を選んでみるのも良いでしょう。
個人的には、パソコンは数年単位で長く使うものなので、3~4万円の差であれば一段階高いスペックのものを選ぶことをおすすめします。
会社員時代にお取引していた企業も、安さを理由に4GBのメモリのパソコンを選ばれることが少なくありませんでした。しかし、結局は「もう少し動作が早い方がいいから」と言って、1~2年でもっとスペックの高いパソコンを買い足すこともよくあります。
メモリ容量:32GB以上
ここまで来ると、3Dモデルを編集するデザイナーや、CADという建築設計用のソフトを使う必要がある建築技師の方が使うプロ向けのパソコンになってくることがほとんどです。
一般向けのパソコンなら、4GB~16GBの間で検討するケースが多いでしょう。
まとめ
メモリの容量は、パソコンの用途によって選ぶのがおすすめです。
インターネットやメール、ワードやエクセルなどの基本的な事務処理しか行わない場合は4GBを選ぶと良いでしょう。インターネットで動画を見ながらiTunesを起動するなど、複数のソフトを同時に使用することが多い場合は8GBを目安にすると安心です。
Photoshopなどの画像編集ソフトを使う、簡単な動画編集を行う、とにかくストレスなく複数のソフトを並行して使用したいなどの場合は、16GBを選ぶのがおすすめです。