ランサーズやクラウドワークスなどのクラウドソーシングでは、クライアントが掲載している案件に自ら提案をして、仕事をお願いしたい!と思った提案を選んでもらうスタイルになっています。
「たくさん提案してるけど、なかなか仕事が取れない……」なんて悩んでいる初心者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
クライアント側にも好みがあり、求めている条件は様々なので、すべての案件で採用されることは確かに難しいです。
ですが、「採用される確率を上げる」ことはできます。
ここでは、クラウドソーシングで提案が採用される確率を上げるためにはどうすればよいか? をご紹介していきます。
クラウドソーシングでの提案が採用されない初心者が陥りがちな思考3つ
提案がなかなか採用されない初心者の方が陥りがちな思考として、以下のようなものがあります。
- 自分には実績がないから提案が採用されないんだ…
- 競合がたくさんいるから、初心者は仕事がとれない
- アピールできるところが少ないから、採用は難しい
初心者の方は、提案するための実績があまりないことが多いでしょう。もちろん、初めてなので当然ですし、ないものを出すことはできないので、今の自分が持っているもので勝負するしかありません。
文字単価や記事単価が高いなど、良い案件になればなるほど競合は増えていきます。「みんなが良いと思う案件」は、提案件数が増える傾向にあるからです。
見るからにめざましい実績がある人の方が有利なのは、たしかにその通りでしょう。
たくさん件数をこなしていれば、クライアントから見ると「この人に任せれば安心そうだ」と映るのも、たしかに間違いないことではあります。
誰かに比べて明らかに飛びぬけている専門分野があればいいのですが、ない場合もありますよね。そうなると、「アピールできることがないから、提案しても結局通らないんだ」と思ってしまいがちです。
ですが、提案が通らない根本的な原因は、まったく別のところにあるかもしれません。
クラウドソーシングでの「提案」とは「営業」と同じこと
提案とは、つまり「営業」のことです。
営業というとずいぶんと堅苦しいイメージがありますが、大切なのは、
「相手が求めていることは何か?を読み取って提案するスキル」
だということです。
クライアントが仕事を頼むとき、ライティングスキルが高い、実績がたくさんある、といったことはもちろん大切な要素なのですが、だからといって必ず案件がゲットできるわけではありません。
ランサーズなどでは、提案した案件が誰に決定(当選)したのかを知ることができます。過去に自分で提案して終了している案件があれば、その選定結果を見てみましょう。
実績の多い人が選ばれやすい傾向にはありますが、「実績が少ないのに良い条件の仕事をゲットしている」という場合があることに気がつきませんか?
クラウドソーシングでの受注件数が過去に何百件、何千件とある人でも、必ず採用されているわけではないことがわかるはずです。
クラウドソーシングでの提案に必要な3つのステップ
ズバリ、的を射た提案をするために必要なのは、下記の3ステップです。これができていないと、どんなに魅力的なスキルを持っていたとしてもクライアントに響かなくなってしまいます。
- クライアントの出した条件をよく読み込んで把握する
- クライアントの背景を5W3Hで考える
- 案件へのアピール方法を考える
それでは、順番に見て行きます。
1.クライアントの条件をよく読み込んで把握する
クライアントが提示している条件を、まずはよく読みましょう。当たり前のことではあるのですが、意外と内容をきちんと読まないまま、良い条件だからと飛びついてしまっている場合も多いです。
「応募条件」に合っていないのに応募しても、その案件を任せてもらうことはできません。「自分が応募してもいい案件かどうか?」を、まずは落ち着いて見極めましょう。
2.クライアントの背景を5W3Hで考える
クライアントがその案件を依頼している背景を考えてみましょう。たとえば、下記のような依頼があったとします。
▼当社オウンドメディア掲載記事のリライトをしてくださる方募集
依頼主:株式会社ABC
記事のリライトをしてくださる方を募集しています。記事が増えてきたため、思うような効果が上がっていない過去の記事をSEO対策のためにリライトしたいと思っています。
文字単価は1文字1.5円です。
・経歴
・実績(あれば)
・1ヶ月に対応可能な本数
以上を記載してご提案ください。納期は1週間程度、1ヶ月に20本以上納品できる方歓迎です。
さて、このクライアントの5W3Hは以下の通りです。
When(いつ)=契約から1週間以内
Who(誰が)=フリーランスライター
What(なにを)=ABC社のオウンドメディアに掲載されている記事
Why(なぜ)=掲載されている記事は思うような効果が上がっていないため
How(どのようにして)=リライト
How many(どのくらい)=1ヶ月に20本以上希望
How much(いくらで)=1文字あたり1.5円
これによって、「株式会社ABCは、フリーランスライターに自社のオウンドメディアに掲載されている記事をリライトしてほしい。理由は、掲載されている記事が思うような効果を挙げていないから。1ヶ月に20本以上納品してほしくて、文字単価は1.5円」という背景がわかります。
ちなみに、「経歴」「実績」「1ヶ月に対応可能な本数」を記載してくださいと書かれているので、提案の際には必ず書きましょう。
3.案件へのアピール方法を考える
クライアントの背景が分かったら、どのようにアピールしていくかを考えます。
「営業」とは、ある意味「相手の悩みを解決すること」なので、「どのように相手の悩みを解決することをアピールすると響くか?」を考えると提案が通る確率がアップします。
前述の例の場合、悩みは「Why」の部分にあたるので、
「掲載されている記事は思うような効果が上がっていない」
ということになります。
これを「自分に仕事を任せてもらえばどのように解決できるか」という形でアピールするのです。
また、「1ヶ月に20本以上希望」ということは、「多ければ多いほどいい」ということでもあるので、作業量に余裕があるなら、たくさん提示できると有利になるでしょう。
(価格については、ここでは1.5円以下の交渉はしないこととします)
▼Whyに対しての提案の例
掲載されている記事の効果を上げたいとお悩みのこととお見受けいたしました。本案件を私にお任せ頂ければ、より集客の見込めるコンテンツになるようにお力添えさせて頂きます。
▼How manyに対しての提案の例
20記事以上と記載がありましたが、1ヶ月に30~40記事まで納品が可能です。
クラウドソーシングで響く提案をするための3ステップ まとめ
私自身はITコンサルタントとして企業で提案営業をしていたので、Webライターとしてのお仕事にはその経験が生きているかなと感じています。
ですが、新卒で入社して最初の頃は、営業なんて言われても何をしていいのか全然わかりませんでした。
「5W3H」を使って相手が望んでいることを整理してからは、提案もだんだん通るようになってきた経験があります。
これはWebライターも他のすべてのお仕事でも同じことなので、なかなか提案が通らないなと思ったら、「5W3H」を使って「相手が求めていることは何か?」を、一度整理してみてくださいね。