フリーランスエンジニアとして働く道には多くの魅力がありますが、一方で多くの課題や困難も伴います。時折聞こえてくる「やめとけ」という声に、独立をためらってしまう人も多いのではないでしょうか。
本記事では、フリーランスエンジニアとしての活動を考えている方に向けて、フリーランスが「やめとけ」と言われる6つの理由と、独立後の成功のコツを解説します。
フリーランスエンジニアが「やめとけ」と言われている理由6選
フリーランスエンジニアには自由度の高さをはじめとした多くの魅力がありますが、一方でいくつかの課題も抱えています。
多くの人々がフリーランスの道を選ぶ中で、何故「やめとけ」という声が上がるのでしょうか。ここでは、単なる自由を求めるだけでは乗り越えられない、フリーランスエンジニアが直面する主な課題を6つ紹介します。
案件を自分で見つけるのが大変
フリーランスエンジニアにとって最初の壁と言えるのが、案件を自分で見つける難しさです。フリーランスは常に新しい仕事を探し続ける必要があり、同業との競争も激しいため、駆け出しの頃は仕事探しに苦労するケースが少なくありません。
多くのフリーランスは、オンラインプラットフォームやネットワークを駆使してクライアントを探します。しかし、クライアントの獲得には競合他社との差別化やセルフブランディングが不可欠です。また、案件の信頼性や報酬の適正な設定も重要なポイントになります。
スケジュール管理を自分で行う必要がある
フリーランスエンジニアは、自分でスケジュールを管理する必要があります。クライアントの納期を守るためには、適切なスケジュールの設計・管理が欠かせません。
スケジュール管理の難しさは、自由な働き方の一環として受け入れる必要があります。時間の使い方や優先順位の設定、プロジェクトごとの計画立案がスムーズに行えるようになると、フリーランスエンジニアとしての成功に近づくことができるでしょう。
また、仕事一辺倒になるのではなく、自分のスケジュールを調整し、仕事とプライベートのバランスを取るのもポイントのひとつです。仕事とプライベートのバランスを上手く取ることが、長期的なキャリアを築くためのコツといえます。
収入の安定性に欠ける
フリーランスエンジニアの生活は、収入の不安定性がつきものです。会社員のように定期的な給料が保証されていないため、プロジェクトごとに報酬が異なり、仕事が途切れると収入が途絶える可能性があります。仕事がない期間が長引くと、生活費や固定費の支払いに影響を及ぼします。
収入の不安定性に対処するために、フリーランスエンジニアは入念な予算管理と貯蓄計画を立てる必要があります。また、複数のクライアントと取引し、リスクを分散することも重要です。長期的なプランニングと収益の安定性を追求する努力が、フリーランスエンジニアの成功につながります。
交渉力が求められる
フリーランスエンジニアは、プロジェクト契約や報酬について交渉する必要があります。クライアントとの交渉は、仕事の条件や報酬を最大限に引き出す重要なスキルです。しかし、交渉は簡単ではありません。
交渉力を高めるためには、自分の価値を正確に評価し、クライアントとのコミュニケーションスキルを磨くことが大切です。また、競合他社の情報や市場のトレンドに敏感であることも重要です。適切な交渉を行うことで、より良い契約条件や報酬を得ることができ、収益の最大化に貢献します。
会社員に比べると信用が低い
フリーランスエンジニアは、会社員と比較して信用が低いと感じられることがあります。フリーランスは一般的にプロジェクトごとに雇用され、長期的な雇用関係が少ないため、社会的な信頼を築くのが難しいことがあるからです。
この信用の低さに対処するために、フリーランスエンジニアはセルフブランディングと実績の積み重ねに注力する必要があります。ポートフォリオを充実させ、クライアントの信頼を獲得することが大切です。また、クライアントとのコミュニケーションを通じて信頼関係を構築し、クライアントの期待以上の成果を提供することも重要になります。
最新技術を学ぶためのコストがかかる
フリーランスエンジニアは、常に最新の技術やツールを学び、スキルセットを更新する必要があります。しかし、技術を学ぶにあたってコストがかかることがあり、学習リソースやトレーニングへの投資が必要です。
さらに、スキルを高めるためには学習時間を確保する必要もあります。フリーランスエンジニアは自己投資を行い、自身のスキルをアップデートし続けることで、競争力を維持し、成功を継続することができますが、学習のためにコストと労力がかかることを押さえておきましょう。
フリーランスエンジニアとして働くメリット
フリーランスエンジニアとして独立することには、従業員として働く場合とは異なる多くのメリットがあります。ここでは、収入や自由度などの面から多角的にメリットを深掘りし、フリーランスエンジニアとして働く魅力について解説します。
スキル次第で収入アップを目指せる
フリーランスエンジニアとしての働き方には、魅力的なメリットがたくさんあります。その中でも最も魅力的なメリットは、スキル次第で収入を上げていけることです。この点が、多くのエンジニアにとってフリーランスを選ぶ理由の一つです。
会社員は給与に上限があり、昇進や昇給が決まったタイミングでしか収入を増やせません。しかし、フリーランスエンジニアは働く時間を増やしたり、自分のスキルや経験に応じてプロジェクトごとの報酬を交渉したりすることで、大幅に収入を増やせる可能性があります。
この柔軟性は、キャリアの成長や生活の質の向上につながります。スキルを磨き、市場価値を高めることで、自分の将来に大きな影響を与えることができるのです。
自分のペースで仕事ができる
もうひとつのメリットは、自分のペースで仕事ができることです。フリーランスエンジニアは、自分のスケジュールを自由に設定し、仕事を進めることができます。自由度の高い業務環境は、ワークライフバランスを実現し、仕事とプライベートの調和を取りやすくします。
会社勤務の場合、定時出勤や長時間労働が必要なことがあり、ストレスや健康問題の原因となることがあります。しかし、フリーランスエンジニアは自分の生活スタイルに合わせて仕事を調整できます。朝型の人も夜型の人も、自分の生産性の高い時間帯で仕事をすることができるため、効率的に作業を進められます。
全て自分の責任で作業をこなせてやりがいがある
フリーランスエンジニアとして働くと、プロジェクト全体に責任を持つことが求められます。これは、仕事の成功や失敗について直接的な責任を負うことを意味しますが、その分やりがいも大きいです。
受注した仕事に対して、プロジェクト全体の計画、設計、開発、納品まで、全てのプロセスにおいて自分のスキルと判断力を活かし、成果を出す責任があります。このプロセスで自分自身の成長を感じ、達成感を味わえます。
また、成功体験は自己評価を高め、次のプロジェクトに自信を持って取り組むことができます。自分の力でプロジェクトを成功に導く達成感は、多くのフリーランスエンジニアが働く喜びとやりがいを見出す要因です。
フリーランスエンジニアに向いている人材とは?
フリーランスとしてのキャリアは多くの自由度と柔軟性をもたらしますが、安定的に活躍するためには特定のスキルや性格が求められることも少なくありません。
一体、フリーランスエンジニアにはどんな人材が向いているのでしょうか。ここでは、独立してフリーランスエンジニアとしての道を歩む上で向いている人の特徴について解説します。
エンジニアとしての実務経験が豊富な人
エンジニアとしての実務経験が豊富な人は、フリーランスエンジニアに向いています。業界での実務経験が豊富なエンジニアは、幅広いプロジェクトに対応できるスキルと知識を持っているためです。
また、実務経験が豊富なエンジニアは、プロジェクトのリーダーシップや問題解決能力にも優れていることが多いです。クライアントからの信頼を築くのに役立ち、プロジェクトの成功に貢献します。
エンジニアのスキルが高い人
フリーランスエンジニアに向いているもうひとつの特徴は、高いエンジニアスキルを持つ人です。プログラミング言語やフレームワークに精通し、複雑な技術課題に対処できる能力を持っているエンジニアは、品質の高い成果物を提供できるためクライアントの満足度を高めやすくなります。
高いスキルを持つエンジニアは、クライアントから高単価のプロジェクトを受注し、収入を増やす機会を得ることができます。また、高度な技術スキルを持つことで、市場価値も高まります。
新しい知識を常に身につけようと努力できる人
フリーランスエンジニアに向いているもう一つの重要な特徴は、新しい知識を常に学び、アップデートしようとする積極性です。IT分野の技術の進化は速いため、新しい言語、フレームワーク、ツールを習得することが必要です。
常に学び続ける姿勢を持つエンジニアは、最新の技術トレンドに適応し、競争力を維持できます。また、クライアントの要求に対応するために、幅広い技術スキルを提供できるでしょう。新しい知識を取り入れ、成長し続けることで、フリーランスエンジニアとしての成功が期待できます。
スケジュール管理能力が高い人
フリーランスエンジニアに向いている人材として重要な特徴のひとつに、高いスケジュール管理能力があります。フリーランスとして働く際には、自分自身でプロジェクトのスケジュールを管理し、デッドラインを守る必要があります。時間を効果的に使い、プロジェクトを円滑に進めるためには、スケジュール管理が不可欠です。
スケジュール管理能力が高い人は、計画的に仕事をこなし、プロジェクトを成功に導けます。また、自分のスケジュールを調整し、ワークライフバランスを維持することも得意とします。プロジェクトの効率的な進行と生活の調和を実現できるため、フリーランスエンジニアとしての成功につながります。
自由な時間に仕事をしたい人
自由な時間に仕事をしたい人も、フリーランスエンジニアに向いています。会社員のように固定の勤務時間に縛られず、自分の都合に合わせて仕事を進めることができるのがフリーランスの強みであり、魅力です。
一方で、生活スタイルが常に固定されていた方が過ごしやすいという人は、会社員として働く方が向いている可能性があります。
フリーランスエンジニアが仕事を探すための方法
フリーランスエンジニアとして独立を果たした後、多くのエンジニアが直面するのは「仕事をどのように探すか」という課題です。
独立する自由がある一方で、継続的な収入を得るための案件探しは不可欠になります。ここでは、クラウドソーシングの利用やエージェントの利用など、フリーランスエンジニアが仕事を効果的に探すための具体的な方法について解説します。
クラウドソーシングを活用する
フリーランスエンジニアが仕事を探すための効果的な方法の一つは、クラウドソーシングプラットフォームを活用することです。クラウドソーシングプラットフォームに登録すると、クライアントが公募しているさまざまな案件を見つけて「提案」という形で応募できます。
クラウドソーシングには多様なプロジェクトが掲載されており、自分のスキルや興味に合った仕事を選ぶことができます。プロジェクトに応募し、クライアントから選ばれれば、仕事を開始できます。
まだ実績が不十分な駆け出しのフリーランスエンジニアやプロジェクトの多様性を求めるエンジニアにとって、クラウドソーシングは仕事探しに重宝します。
知人から仕事を紹介してもらう
もう一つの効果的な方法は、知人から仕事を紹介してもらうことです。フリーランスエンジニアとして活躍する上でネットワーキングは有効な方法のひとつで、知人や同僚とのつながりが仕事の機会を生むことがあります。
知人からの紹介は案件としての信頼性が高く、クライアントとの信頼関係を築きやすいです。また、紹介された仕事は、自分のスキルや経験に合致していることが多いため、成功しやすい側面もあります。
知人からの仕事の紹介を受けるためには、積極的にネットワーキングを行い、自分のスキルや実績をアピールすることが重要です。プロフェッショナルな関係を築くことで、仕事の機会を増やすことができます。
【おすすめ】フリーランスエージェントを使う
フリーランスエンジニアが仕事を探す際に、特におすすめしたい方法は「フリーランスエージェントを使うこと」です。フリーランスエージェントは、以下の点でフリーランスエンジニアにとって優れたメリットを提供してくれます。
- 効率的な仕事のマッチング: フリーランスエージェントは、エンジニアのスキルや希望に合った仕事を効率的にマッチングしてくれます。これにより、エンジニアは自分で仕事を探す手間を省き、適切なプロジェクトに集中できます。
- 信頼性のあるクライアントとの接点: フリーランスエージェントを通じて仕事を受けることで、信頼性のあるクライアントとの接点を得る機会が増えます。エージェントはクライアントとの信頼関係を築き、長期的な仕事の機会を提供します。
- 法的・契約上のサポート: フリーランスエージェントは契約書の作成や法的なアドバイスを提供し、仕事に関するトラブルを未然に防ぐサポートを提供してくれます。
- 報酬交渉力の強化: エージェントは報酬交渉においてエンジニアのスキルや特徴を本人に代わってアピールしてくれるため、適切な報酬を確保しやすくなります。
このように、フリーランスエージェントはフリーランスエンジニアにとって強力なパートナーであり、仕事探しやビジネスの成長をサポートする役割を果たします。そのため、フリーランスエンジニアにとってはフリーランスエージェントの積極的な活用をおすすめします。
フリーランスエンジニアにおすすめのフリーランスエージェント5選
近年ではさまざまな特徴を持ったフリーランスエージェントが増えてきており、多様なスキルに合わせた案件を探しやすくなってきています。
ここでは、数あるフリーランスエージェントの中から、フリーランスエンジニアにおすすめのフリーランスエージェントを5社紹介します。
フリエン
フリエンは、日本国内のフリーランスエンジニアに特化したエージェントとして知られています。
プロジェクトの45%以上が高額報酬で、中には月収180万円にも達する案件が含まれており、エンジニアの平均報酬は72万円となっています。高収入を目指すエンジニアにとって非常に魅力的なオプションといえるでしょう。フリエン経由でプロジェクトに参加したエンジニアの80%以上が収入の向上を体感しています。
ユーザーは30,000を超える多様なプロジェクトの中から、自分に最適な案件を選び出すことができます。さらに、専門のアドバイザーからのきめ細やかなアドバイスやサポートを受けることが可能です。これにより、「フリーランスとして成功したいが、適切な案件の見つけ方が分からない」と悩む方々も、フリーランスとしての活動をスムーズに進めることができます。
Freddy
Freddyは、他のフリーランスエージェントと一線を画すサービスを提供しており、エンジニアが収入を増やす手段として「追加ボーナス」を獲得するチャンスを提供しています。この独自のボーナスプログラムを利用することで、資産の自動増加を実現し、資産形成を着実に進めることができます。
さらに、Freddyでは契約が企業側の都合で中断された際でも、エンジニアが収入を失わないよう代替の報酬システムが整備されています。これにより、安心してフリーランスとしてのキャリアを築くことが可能です。「技術的には自信があるが、交渉スキルに不安を感じる」エンジニアに対して、最適なサポートを提供し、成功へと導いています。
フリーランススタート
フリーランススタートはエンジニアやマーケター、デザイナーを対象にしたエージェントサービスで、提供する案件の豊富さから高い評価を受けています。2023年10月時点で65万件以上の案件を揃え、特定のスキルセットやフレームワークに合わせて多種多様なプロジェクトを選ぶことが可能です。
主要な都市圏、特に関東エリアの仕事が多いものの、全国各地に案件はあり、「地方でもフリーランスで活躍したい」と願う方々にとって最適な選択肢です。高額案件も多く、月収100万円以上を目指すプロフェッショナルにとっても魅力的なサービスです。
IT求人ナビ フリーランス
IT求人ナビ・フリーランスは、全国のエンジニアをサポートするフリーランスエージェントです。札幌から福岡まで、7つの主要拠点を通じて、地方にも精通した地域密着型のサービスを展開しています。
データベースには数多くの案件が常時掲載されており、エンジニアが自分の専門技術やスキルに合ったプロジェクトを素早く見つけることができます。プログラマーやシステムエンジニア向けの案件が中心ですが、デザインやコンテンツ制作の分野でクリエイティブな仕事を求める方々にも多くのチャンスが提供されています。
ギークスジョブ
ギークスジョブは、3,400社以上の幅広いパートナー企業と協力している、日本国内の主要なフリーランスエージェントの一つです。リモートワークに対応したプロジェクトが豊富で、全案件の80%以上が在宅勤務可能です。この特長は、家で仕事をしたいと考えるエンジニアにとって大きなメリットとなっています。また、エンドユーザーと直接取引を行うことで、平均年収は業界トップクラスの879万円に達しています。
ギークスジョブは、「フリノベ」という独自の福利厚生プログラムも提供しており、フリーランスエンジニアが抱えがちな医療や所得の不安を緩和します。このプログラムを利用することで、オプショナルな保険サービスを活用し、安心して仕事に集中できる環境が整います。
上記のほかにも、さまざまなフリーランスエージェントが存在します。フリーランスエージェントについてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
【厳選】フリーランスエージェントとは?おすすめエージェント9社を紹介
まとめ
本記事では、その「やめとけ」と言われる6つの主な理由とともに、これらの課題を適切に乗り越える方法や案件を獲得するためのヒントを解説してきました。
事前に失敗の原因を知り、準備を整えておけば、フリーランスエンジニアとして活躍することは十分に可能です。本記事の情報も参考に、ぜひ自由度の高いフリーランスエンジニアとしての働き方にチャレンジしてみてください。
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