Webライターとして収入を得始めると、避けて通れないのが確定申告。「何が経費になるの?」「青色申告と白色申告はどっちがいい?」「手順がわからなくて不安」と感じている方は少なくありません。
本記事では、Webライター歴7年の筆者が、経費にできるものの一覧から確定申告の具体的な手順、源泉徴収の還付、節税のコツまでをまとめて解説します。初めての申告でも迷わず進められる内容に仕上げました。
この記事でわかること
– Webライターが経費にできるもの・できないものの具体例と勘定科目
– 確定申告の4ステップ(書類準備→作成→提出→納付/還付)
– 事業所得vs雑所得・青色vs白色の違いと節税効果
Webライターに確定申告が必要な基準【本業・副業別】

確定申告が必要になる基準は、本業ライターと副業ライターで異なります。自分がどちらに該当するかを最初に確認しておきましょう。
本業ライターは所得48万円超で申告が必要
フリーランスや個人事業主としてWebライターを本業にしている場合、年間の所得が48万円を超えると確定申告の義務が発生します。ここでいう「所得」とは、売上(収入)から経費を差し引いた金額のこと。
48万円という基準は、所得税の基礎控除額と一致しています。つまり、所得がこの金額以下であれば課税所得がゼロになるため、申告は不要です。ただし、開業届を提出して青色申告を選択している場合は、赤字であっても申告しておくと損失の繰越控除が使えるため、申告するメリットがあります。
副業ライターは所得20万円超で申告が必要
会社員として給与を受け取りながら副業でWebライターをしている場合、副業の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要になります。20万円以下であれば所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は別途必要な点に注意してください。
副業ライターが見落としがちなのが、「収入」ではなく「所得」で判定する点です。年間の報酬が25万円でも、経費が6万円あれば所得は19万円となり、確定申告の義務は発生しません。経費をきちんと記録しておくことが、正確な判定につながります。
関連記事: 確定申告はいくらから必要?ケース別の金額と計算方法を解説
事業所得と雑所得の違い|判定基準と税金への影響

Webライターの収入を「事業所得」と「雑所得」のどちらで申告するかによって、使える控除や税金の扱いが大きく変わります。
事業所得と雑所得の判定基準
事業所得として認められるには、「継続性」「反復性」「営利目的」の3つの要素を満たす必要があります。定期的にクライアントから案件を受注し、生計を立てる目的で活動していれば、事業所得に該当する可能性が高いでしょう。
2022年の国税庁通達改正により、帳簿を適切に作成・保存していることが事業所得の判断材料として重視されるようになりました。開業届を提出していなくても事業所得として申告できるケースはありますが、税務署から否認されるリスクを減らすためには、開業届の提出と帳簿の整備がセットで重要です。
事業所得のメリットは、青色申告特別控除(最大65万円)の適用、損益通算(他の所得との相殺)、赤字の3年間繰越が可能な点。雑所得ではこれらの恩恵を受けられません。
関連記事: フリーランスと個人事業主の違いを解説!最適な働き方を見つける方法
青色申告と白色申告の違い早見表
事業所得で申告する場合、青色申告と白色申告を選択できます。以下の比較表で違いを確認してください。
| 項目 | 青色申告 | 白色申告 |
|---|---|---|
| 特別控除額 | 最大65万円 | なし |
| 記帳方法 | 複式簿記(65万円控除の場合) | 簡易帳簿 |
| 損益通算 | 可能 | 不可 |
| 赤字の繰越 | 3年間 | 不可 |
| 事前届出 | 青色申告承認申請書の提出が必要 | 不要 |
| 30万円未満の一括経費 | 可(少額減価償却資産の特例) | 不可 |
結論として、Webライターが本業で事業所得を得ているなら、青色申告を選ばない理由はほぼありません。会計ソフトを使えば複式簿記の知識がなくても65万円控除の要件を満たせます。開業届と「青色申告承認申請書」を所轄の税務署に提出すれば、翌年分から適用可能です。
Webライターの確定申告4ステップ【書類準備から納付まで】

確定申告の流れは、大きく4つのステップに分かれます。期限は毎年2月16日〜3月15日(2026年分は2027年3月15日まで)。早めの準備がスムーズな申告につながります。
ステップ1|必要書類を準備する
まずは申告に必要な書類を揃えましょう。Webライターが用意すべき主な書類は以下のとおりです。
- マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類)
- 支払調書(クライアントから発行される場合。なくても申告は可能)
- 経費の領収書・レシート(1年分を月別に整理)
- 銀行口座の年間取引明細(入金記録の確認用)
- 源泉徴収票(副業ライターの場合、本業の給与分)
支払調書はクライアントに発行義務がないため、届かないケースもあります。その場合、自分で入金記録をもとに売上を集計すれば問題ありません。クラウドソーシング経由の報酬は、プラットフォームの管理画面から年間の報酬額を確認できます。
ステップ2|確定申告書を作成する
書類が揃ったら、確定申告書の作成に進みます。作成方法は主に2つ。
1つ目は、国税庁「確定申告書等作成コーナー」をブラウザ上で利用する方法。画面の指示に従って入力するだけで、自動計算してくれます。2つ目は、会計ソフト(freee・マネーフォワード・弥生など)を使う方法で、日々の帳簿データからそのまま申告書を出力できる点が便利です。
申告書で特に注意したいのが「源泉徴収税額」の欄です。Webライターの報酬からは、原稿料として10.21%の所得税が天引き(源泉徴収)されているケースが多く、この金額を申告書に正しく記載しないと、二重に税金を納めることになりかねません。支払調書や入金明細で源泉徴収額を必ず確認してください。
ステップ3|確定申告書を提出する
作成した申告書の提出方法は3つあります。
- e-Tax(電子申告): マイナンバーカード方式またはID・パスワード方式でオンライン提出。青色申告65万円控除の要件でもある
- 郵送: 所轄の税務署宛に郵送。消印日が提出日になる
- 税務署窓口: 直接持参して提出
65万円の青色申告特別控除を受けるにはe-Taxでの提出が必須です(紙提出の場合は55万円控除に減額)。マイナンバーカードとICカードリーダー(またはスマホ)があれば自宅から完結するため、まだe-Taxを利用していない方は早めにセットアップしておきましょう。
ステップ4|税金を納付する・還付金を受け取る
申告の結果、追加納付が必要な場合は期限内に納付します。納付方法は振替納税、クレジットカード納付、コンビニ納付、ダイレクト納付など複数あり、振替納税を選べば口座から約1か月後に自動引き落としされるため手間がかかりません。
一方、源泉徴収で税金を前払いしているWebライターは、申告によって還付を受けられるケースが多くあります。たとえば年間売上300万円・経費60万円・青色申告65万円控除を適用した場合、課税所得は175万円。所得税額は約8.9万円ですが、源泉徴収で約24.5万円が天引きされていれば、差額の約15万円が還付される計算です。
Webライターが経費にできるもの一覧【勘定科目つき】

Webライターが確定申告で経費に計上できるのは、「業務に直接必要な支出」に限られます。以下、全額経費にできるもの・家事按分が必要なもの・経費にできないものに分けて整理しました。
全額経費にできる費用8選
業務専用で使っている費用は、全額を経費に計上できます。代表的な項目と勘定科目は以下のとおりです。
| 経費項目 | 勘定科目 | 補足 |
|---|---|---|
| パソコン(10万円未満) | 消耗品費 | 10万円以上は減価償却または少額減価償却 |
| モニター・キーボード等 | 消耗品費 | 周辺機器もまとめて計上可 |
| ソフトウェア・サブスク | 通信費 or 消耗品費 | Googleドキュメント有料版、文章校正ツール等 |
| 書籍・教材 | 新聞図書費 | 業務に関連するもののみ |
| 取材交通費 | 旅費交通費 | ICカード履歴やレシートを保管 |
| サーバー・ドメイン代 | 通信費 | ブログ運営費も含む |
| 外注費 | 外注費 | デザイナーへの依頼、文字起こし等 |
| セミナー・講座代 | 研修費 | スキルアップ目的の受講料 |
クラウドソーシングの手数料も「支払手数料」として経費に計上できます。クラウドワークスの場合はシステム利用料5〜20%が報酬から差し引かれているため、年間の手数料合計を忘れずに経費計上してください。名刺代や文房具は「消耗品費」、振込手数料は「支払手数料」で処理します。
家事按分で一部経費にできる費用
自宅で作業しているWebライターの場合、家賃・電気代・通信費は仕事とプライベートの使用比率に応じて按分計上できます。
- 家賃: 作業スペースの面積比で按分(例: 1部屋60m2のうち作業部屋10m2 → 約17%)
- 電気代: 作業時間比で按分(例: 1日8時間作業/24時間 → 約33%)
- 通信費(Wi-Fi・スマホ): 業務使用の割合で按分(50〜70%が一般的な目安)
按分比率は一度決めたら年間を通じて統一し、根拠を説明できるようにしておくことが重要です。「なんとなく50%」ではなく、作業時間の記録や間取り図など、合理的な根拠を用意しておけば税務調査でも問題になりません。コワーキングスペースの利用料は業務専用なので全額経費にできます。
経費にできないもの・注意が必要なもの
以下のものは経費として認められないか、計上に注意が必要です。
- プライベートの飲食費: カフェでの作業代は経費にできるが、友人との食事はNG
- スーツ・衣料品: 取材用であっても、プライベートでも使えるものは認められにくい
- 所得税・住民税: 税金は経費にならない(事業税は経費OK)
- 趣味目的の書籍・講座: 業務との関連性がないものは不可
10万円以上のパソコンを購入した場合は、原則として減価償却(耐用年数4年)が必要です。ただし青色申告者なら「少額減価償却資産の特例」を使い、30万円未満のPCを一括で経費にできます。高額な機材を買う予定がある方は、この特例が使える青色申告への切り替えを検討してみてください。
関連記事: 個人事業主が購入したパソコンは減価償却可能?基準について徹底解説
Webライターが知っておくべき節税のコツ3選

経費を漏れなく計上するだけでなく、申告方法や控除の活用で手取りをさらに増やせます。
青色申告特別控除を最大限活用する
節税効果が最も大きいのは、青色申告特別控除の65万円控除を適用すること。所得税率が10%の場合、65万円の控除で所得税が約6.5万円、住民税が約6.5万円、合計で年間約13万円の節税になります。
65万円控除の条件は「複式簿記で記帳」「期限内申告」「e-Taxで電子申告」の3つです。会計ソフト(freee・マネーフォワード・弥生)を使えば、複式簿記の知識がなくても取引入力だけで帳簿を自動作成してくれます。まだ白色申告の方は、開業届と青色申告承認申請書を提出するところから始めましょう。
関連記事: フリーランスにおすすめの会計ソフト比較6選【2026年版】
源泉徴収税額を正しく記載して還付を受ける
Webライターの原稿料には、支払い時に10.21%の所得税が源泉徴収されています。年間を通じて源泉徴収された合計額が、実際の所得税額を上回っていれば、その差額が還付金として戻ってきます。
源泉徴収の還付を受けるためには、確定申告書の「源泉徴収税額」欄に正確な金額を記入することが必須です。記載漏れや金額の誤りがあると、本来受け取れるはずの還付金が減ってしまいます。各クライアントの支払調書や、銀行口座への入金額から逆算して正確な源泉徴収額を把握してください。副業ライターも給与分とライター報酬分の源泉徴収額を合算して申告する必要があります。
※確定申告の具体的な手続きや節税戦略の全体像は、拙著「AI時代のWebライターが消耗せずに稼ぐ戦略と仕組み」の7章でも解説しています。
会計ソフトで記帳と申告を効率化する
日々の経費管理と確定申告を効率化するなら、会計ソフトの導入がおすすめ。銀行口座やクレジットカードと連携させれば、取引データの自動取込と仕訳提案で記帳の手間を大幅に削減できます。
主要3ソフトのうち、初心者はfreee、既存の経理知識がある方はマネーフォワード、コスパ重視なら弥生が選びやすいでしょう。いずれも確定申告書の自動作成とe-Tax連携に対応しており、65万円の青色申告特別控除の要件もクリアできます。無料プランや無料体験期間があるので、まずは試してみてください。
関連記事: フリーランスライターの確定申告完全ガイド【2025年版】
まとめ
Webライターの確定申告では、まず本業か副業かで申告基準を確認し、事業所得として青色申告を選ぶことが節税の第一歩です。経費にできるものはPC・通信費・家賃(按分)・書籍・サーバー代など幅広く、勘定科目を正しく分類して漏れなく計上することが手取りを増やすカギになります。
確定申告の手順は「書類準備→申告書作成→提出→納付/還付」の4ステップ。源泉徴収税額の記載を忘れると還付金を取り逃すため、支払調書や入金記録を必ず確認してください。会計ソフトを活用すれば、日々の記帳から申告書の作成まで効率的に進められます。まだ導入していない方は、freee・マネーフォワード・弥生の無料体験から始めてみましょう。
